テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた
横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
LESSON28
ミラーと収納家具で小さな部屋を居心地のよい空間に
横瀬多美保さんが暮らすマンションにはDENがあります。
DENとは、“巣、ほら穴”を意味する英語から生まれた言葉で、書斎や趣味を楽しむための隠れ家のような小部屋のこと。
多美保さんのDENには、小さな空間を生かすためのさまざまな工夫があります。コンパクトな空間における、部屋づくりを学びます。
上吊り式の引き戸はレールがないため床をフラットにでき、扉を開ければ玄関のたたきから続く空間になる。Tips1
スライド式ドアで床面積を最大限に生かす
マンションにあるDENやサービスルームなどの小さな部屋は、物置と化してしまって有効に活用できていないという方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
玄関を入ってすぐ右側。約5畳の小さな部屋が、普段横瀬多美保さんが書斎兼仕事部屋として使っているDENです。ここは玄関と続がっている、いわば土間のようなスペース。
「撮影用の荷物や花材などの搬入搬出が多いスタイリストという仕事柄、室内でも靴を履いたまま使うことのできるこの空間が、スモールオフィスのようでとっても便利なんです」と、多美保さんは言います。
玄関との間は、開閉する際に前後のスペースが必要な開き戸ではなく、上吊り式の引き戸でセパレート。限られた空間の床面積を最大に生かしています。