なにげない日常に、ある日やってきた猫が人生を変えた―。猫と暮らす、あるいは暮らした5人の愛猫家の皆さまに傍らに猫のいる心豊かな日々を語っていただきました。
第1回目は、俳優・平 岳大さんと愛猫のサンダー、サモンのお話です。
平 岳大さんと一緒に暮らす2匹。カメラに興味津々のサンダーと、平さんに抱かれながら心配そうにサンダーを見つめるサモン。猫たちが役者としての転機をもたらした
スーパー歌舞伎や海外映画など俳優として活躍の場を広げる平 岳大さんとともに暮らす、サンダーとサモン。2匹とも運命的な出会いでした。
サンダー(雄/10歳)
食いしん坊で、いつもご飯を待ち構えているサンダー。 苦労して育ったため我慢強く、懐の深い性格を持つ。「サンダーは、浅草の雷門にいたホームレスらしき男性から託された雄猫です。食事の待ち合わせに早く着いて待っていたところ、そばで男性と猫が一緒に缶詰を食べていました。すると『自分よりもお兄さんと一緒にいるほうがこの猫も幸せだから』と突然手渡されたのです。そのまま連れて帰り、猫との暮らしが始まりました」と平さん。
「彼は招き猫です。一緒に暮らすようになってすぐに舞台の仕事が舞い込み、初めてのNHK大河ドラマの出演が決まったのです」
サモン(雌/7歳)
怖がり屋さん。サンダーがくるまっている毛布にもぐり 込んでいつの間にか奪い取るなどお調子者の一面も。サモンと出会ったのは、その3年後。仕事が忙しくなり、長期に家を空けることも増え、寂しがるサンダーのためにもう1匹飼ってもいいかなと考えていた頃のこと。
「茨城の山中にあるオープンセットでロケをしていたところ、スタッフが野良の雌の子猫を見つけて抱えていました。怯えている様子で震えていましたが、手を伸ばすと、すぐに僕の手を伝って肩の上まで上がり、そこから動かなくなってしまったのです。その瞬間、わが家の2匹目の猫に決まりました」
サンダーとサモンはすぐ仲よしに。平さんの仕事はその頃から幅がぐんと広がり、現在に至っています。
雷門で出会ったサンダー、役の名をつけたサモン
出会ったときと同様、平さんの肩によじ登るのが好きなサモン。撮影スタジオに到着すると、好奇心旺盛なサンダーはすぐに周囲を徘徊。居心地のよさそうな隅っこに陣取りました。怖がりのサモンはキャリーバッグが開いても顔を上げず、なかなか外に出てきません。
名前の由来は、どちらも出会ったときのエピソードにちなんでいます。
「サンダーは出会った場所、雷門から。サモンは、NHKドラマ『塚原卜伝』の山崎左門役のロケ中に出会ったので、雌なのですがサモンと名づけました。
こう見えて、サモンはちょっとお調子者。苦労人のサンダーは、そんなサモンを受け入れる度量がある“大人”です。僕がサモンを連れ帰ると2匹はすぐに仲よくなり、一度も喧嘩したことがありません」と平さん。
落ち込むことがあまりない平さんですが、一度、部屋で頭を抱えるほどの悩みに苦しんでいたときに、サンダーが珍しく膝の上に乗って、遊ぼうぜ、遊ぼうぜ、と励ましてくれたことがあったそう。
「サンダーは初めて飼った猫で、苦労して育てた分、深いところでつながっている同志のような存在です。猫と暮らすことで、将来生まれてくる子どもとのつきあい方や、しつけ方のレッスンをさせてもらっているような気がします」
平さんとサンダー&サモンのオフショット
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