【問題】
「ローブデコルテ」の服装について、正しいのはどちらでしょう。
(1)全体が刺繍で飾られたガウンのこと
(2)夜の正式な礼服として着られるドレスのこと
「ローブデコルテ」とは、18世紀のフランスが発祥とされた、イブニングドレスで最も正式なものを指します。
フランス語でローブは「ドレス」を、デコルテは「肩・胸・背中をあらわにした」という意味。その2語を繋いだ「ローブデコルテ」は、床につく裾丈で、襟元が広めに開いた、胸元や肩ときには背部も見せるドレスのことです。
男性の燕尾服に相当する夜の礼服で、晩餐会、舞踏会、夜会、観劇などの際に着用されます。その際には、オペラグローブと呼ばれる、パーティ用の長手袋を着用することが多いです。
ローブデコルテ風のウエディングドレスなどもありますが、本格的なローブデコルテとなると、日本で目にできるのは宮中晩餐会の中継や写真くらいかもしれません。海外からの賓客はもとより、日本の女性皇族の方々はほとんどの場合、ローブデコルテをお召しになっているようです。
古くはダイアナ元妃の黒のローブデコルテ、あるいは森英恵さんがデザインした皇太子妃雅子さまのご結婚の際のローブデコルテなどが、話題になりました。
映画『ローマの休日』より。主人公アン王女のローブ・デコルテ。写真:Globe Photos/アフロでも、この最高峰のドレスが日本の服飾文化にあまり浸透していないのは、日本には着物という伝統的な礼服があるからでしょう。
ローブデコルテは、基本的に夜の礼服です。昼間の礼服は、やはりロングドレスですが、立ち襟できちんと胸元がつまった長い袖のローブモンタントとなります。皇居での一般参賀の時に、女性皇族の方々がお召しになっているのが、このモンタントです。
【答え】2
#大人検定365 をもっと見る
#ファッションの記事をもっと見る
写真/PIXTA 文/おおさわ千春(服飾スタイリスト) 参考文献/『新・田中千代服飾事典 (新訂)』(同文書院)