なにかとせわしくなりがちな着付けの際、必要なものをすべて入れておける乱れ盆(みだれぼん)があると、室内での持ち運びも楽になり便利です。大切な帯や小物を守り、きものを装う時間を豊かなひとときにしてくれる、美しい桐の乱れ盆が完成しました。
十分な大きさがありながら、手に取ると驚くほど軽い。蓋にあしらった三角板のマットな輝きがモダン。帯、和装小物(扇子を除く)/銀座 金春通り 伊勢由白木の柾目が清々しい乱れ盆は深さを十分にとり、取り出せる内箱を大小2つつけました。乱れ盆はたっぷりとした容積があり、着付けに必要な小物をすべて納めることができます。
使い方の一例として、乱れ盆に帯を入れ、内箱に帯締めや帯揚げなどを複数用意しておけば、いざ着付けを始めてからコーディネートに迷っても安心です。
「きものを着る前日、お気に入りの帯や小物をあれこれと合わせながら調えるのは楽しいもの。きものを着付けたあとだけでなく、着付けるときや準備のときにもきものの楽しみを感じられる乱れ盆があればいいのに、と思っていました」と製作に携わってくださった樺澤貴子さんは話します。
手がかりはかわいらしい三角形に彫り込み、小口には日本の四季を映す伝統色を彩色し、機能性だけでなく、見た目の美しさも追求しました。
乱れ盆に内箱を納め、蓋をかぶせ佇まいはすっきりとシャープな印象。洋のインテリアにも違和感なく調和し、きもののある暮らしを豊かに彩ってくれます。
一緒に考えてくださったかた
樺澤貴子(かばさわ・たかこ)さん
ライター、エディター、ギフトプロデューサー。本誌や『きものSalon』をはじめ、数々の女性誌で執筆・企画に携わる。プライベートでも茶道を習い、大のきもの好き。著書に『気持ちが伝わるプチプレ』ほか。