「てんぷら近藤」の定番、グリーンアスパラガスの天ぷらのコツは？

銀座の名店「てんぷら近藤」のシグネチャーともいえる「グリーンアスパラガス」の天ぷら。いまから約50年前、初めてアスパラガスを天ぷらの種として使ったのが、当時山の上ホテルの「てんぷらと和食 山の上」料理長を務めていた近藤文夫さんでした。

そのコツや技術を惜しみなく公開している『「てんぷら近藤」主人の やさしく教える天ぷらの基本』より、本日はそのグリーンアスパラガスの天ぷらのレシピをご紹介しましょう。

ご家庭のフライパンで、使う揚げ油は高さ3cm分。これでOKです。「てんぷら近藤」では2種類のごま油をブレンドして使っているとのこと。生搾りの「太白ごま油」と、炒って香ばしい香りをつけた「焙煎ごま油」を3：1で合わせています。ただ、太白ごま油は少々高価ですよね。日常の食事ならサラダ油と焙煎ごま油を、同じように3：1で合わせるのがおすすめです。


アスパラガスは太くて柔らかな身質のものを選び、1本丸ごとで揚げます。半分に切って揚げると油の中で切り口から水分が流れ出て、アスパラガスの持ち味のみずみずしさや独特の青い香りが損なわれてしまうからです。すぐに火が入るので、軽く揚げて裏に返し、裏面も短時間で揚げて引き上げます。
アスパラガスは表面がツルッとしてころもがつきにくいので、最初にまぶす薄力粉は特に大事。ころもがはがれないよう、油に入れている間は、あまりさわらないようにするのもポイントです。

【材料】
・グリーンアスパラガス　適量

・薄力粉　適量

・ころも　適量

・揚げ油　適量

・天つゆまたは塩　適量

【作り方】
1：アスパラガスを手にのせ、根元に近い部分をしならせて自然に折る。包丁では切る位置がわかりにくく、硬い部分が残る可能性があるので、しならせる方法がいちばん。ポキッといい音がして折れれば水分が豊富な証拠。折った断面はいびつなままでOK。切り揃える必要はない。



 



2：下ごしらえしたアスパラガス。はかまは、硬ければ包丁かピーラーでむく。揚げ油を火にかけ、185℃に温める。



 



3：薄力粉をまぶし、箸でトントンとはたいて余分な粉を落とす。



 



4：ころもにくぐらせる。



 



5：185℃に温めた揚げ油に入れる。あまりさわらないようにして1分ほど揚げる。細かい泡がいっせいに立ち、パチパチと高い音で油がはねる。



 



6：泡がやや少なくなり、油が静かになってくる。泡が落ち着いてきたら裏に返す。根元のほうが重いので沈みがちになるが、気にせず揚げる。



 



7：30秒ほどで、ころもから出る泡が少なくなり、はねる音が低くなれば揚げ上がり。取り出して紙にのせ、油をきる。



 



●目指す揚げ上がり：皮の緑色が鮮やかで、切り分けると切り口がみずみずしく水分がしたたり落ち、香りが立ってくる。



 



「天ぷらが上手に揚げられない」という悩みに答えるレシピ本。教えるのは、銀座の名店「てんぷら近藤」主人。使うのは、ご家庭のフライパン。使う揚げ油は、高さ3cm分。これで、絶品の天ぷらが作れます。この本では、野菜や魚介、36種の天ぷらの作り方を、”動画のように”細かくプロセス写真で追って解説するので、どなたにも分かりやすく、作りやすさバツグン！　天丼や天茶など、天ぷらを使ったアレンジメニューもご紹介します。