皐月の「皐」という漢字は、「白」という文字が含まれている字のごとく、白い光を放出する様子を表したものだそうです。まさに、5月の眩い光にぴったり。愛犬のリンゴ(左)とタンゴ(右)と一緒にテラスでくつろぐ時間は、私にとって至福のひとときです。今月は、ホームパーティでお客様をお迎えする番外編の装いをどうぞご覧下さい。
ホームパーティは型染めの帯で愛らしく
我が家の枝垂れ梅を背景に。まるで瑞々しいグリーンのシャワーのようです。数ある母の結城紬の中でも、ひときわ鮮やかな若草色の一枚。見ているだけでも気持ちがパッと明るくなるため、お客様にも庭の若葉の緑を感じてもらえるようにと選びました。
お台所の竹串、木綿糸、そして鱗の一枚一枚まで丹念に描いた和紙で形作った鯉のぼり。お客様をお招きしたのがゴールデンウィーク中ということもあり、玄関の設えはミニチュアの鯉のぼりです。実はこの鯉のぼりは、全て父のお手製なのです。ある日画室からニヤニヤしながら出てきて、手にしていたミニチュア鯉のぼりを見せると、家にいた皆がアッと驚いたそうです(残念ながら私はその場にいませんでしたが)。何故突然こんなものを作ったのかは、知る由もありませんが、今では我が家の「お宝」となって、毎年この時季を迎えると飾られるようになりました。
話を母の若草色の結城紬に戻しましょう。結城紬の価値がわからない子供の頃は、友禅染めのきものと違って「地味な絣」というくらいにしか正直思っていませんでした。ところが、このきものを着た時の母はいつもより若々しく見え、子供心に美しいきものなのだと感じていました。そのため、若草色の結城紬を譲ってもらった時は、とても嬉しかったです。
母はいつも、補色系の帯を合わせていましたが、私はあえて寒色をチョイス。モダンアートのような紬地の染め帯を合わせたところ、都会の街並みにも馴染むカジュアルスタイルが完成しました。
リビングの設えは、あえて菖蒲の葉だけを飾りました。鯉のぼりの下にいるのは、普通は金太郎さんですが、我が家ではタンゴとリンゴの木彫を(笑)。これにはお客様も大喜びでした。