竹林の中に混じっていた木は、ヤマザクラ、ヤブツバキ、アラカシなど樹種は様々。
45年間放置されて いたのだから条件が悪いとはいえ、どれもけっこうな大木になっている。
できるだけ無駄にしたくなかったので、伐採したものは広葉樹の幹の太いものは将来何かに活用すべく、そのまま乾燥させ、それ以外は、細かく切断し薪にした。
開墾したときに一度にでる木々は、とにかく整理整頓に時間がかかる。
伐採した広葉樹の幹を細かく切る。チェーンソーを小一時間も操縦すると、汗だくになる。伐採する木の数は、何百本にもなる、いったいどうするべきか。表情を曇らせる私をみて、農家の西村さんが、名案を出してくれた。
それは、伐採したスギやヒノキを貯木場へ運び、競りにかけてはどうか、そうすれば、だれかが、何かの役に立ててくれるはずだというのである。
それと、もうひとつ、仰木(おおぎ)祭りのときに使う流鏑馬(やぶさめ)の的として、ヒノキを献上してはどうかという。
(次回は7月10日更新予定です。お楽しみに。)
今森光彦
1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
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