なにげない日常に、ある日やってきた猫が人生を変えた―。猫と暮らす、あるいは暮らした5人の愛猫家の皆さまに傍らに猫のいる心豊かな日々を語っていただきました。
最終回である今回は、絵本作家・とりごえまりさんと、4匹の愛猫ミケ、ニヤ、チャイ、コビーのお話です。(前回の
猫のいる愛しき人生! 第4回(魚類学者・さかなクン)はこちらから。)
絵本作家・とりごえまりさん心温まる優しいイラストを描く絵本作家のとりごえまりさん。北陸新幹線開通を機に、郷里の金沢へ拠点を移し、愛猫4匹と暮らしています。
ミケ(雌/16歳)
以前は外で暮らしていた。12年以上世話をしていたが、金沢移住を決めた際に離れがたく家族の一員に迎え入れた。ニヤ(雄/15歳)
公園で弱って鳴いていたのを病院に連れていった縁で迎え入れたニヤ。絵本『名なしのこねこ』のモデルでもある。チャイ(雄/8歳)
人懐っこい性格のチャイ。きょうだいのように育ったコビーのポートレートとともに、モデル立ち。コビー(雄/8歳)
シャイな性格なのに、野性の血が騒ぐのか、バードフィーダーに寄ってくる鳥めがけて飛びかかることも。「中年とシニアの猫だけなので、毎日ゆったり過ごしています。猫たちは、専用のサンルームでのんびりしていたり、寒い日は、ヒーターのある仕事部屋で一日中寝ていることも多く、私も猫たちが寝ているときに仕事を集中して行います。猫と生活していると、本能のままに生きている姿を間近に見て、人間も見習わねばと思うことがたくさんあります」
とりごえさんは、子どもの頃から生き物なら何でも大好き。でも、実家が社宅住まいなどの理由でずっと飼うことができない環境でした。
「18年ほど前に、縁あってお店で購入した2匹の猫を迎え入れました。しかし残念ながら、長く病気を抱え、寿命より早くに悲しいお別れが訪れてしまいました。そうした経験から、『ネコの種類のおはなし』という冊子を作るなど、人為的交配による猫種が抱える問題について知ってもらう活動にも携わるようになりました」
猫を飼う前は、漠然と可愛いと思っていても絵に描くことができず、実際飼い始めてから、猫それぞれの面白いところがわかり、どんどん描きたくなったといいます。
「ミケは姉御肌、チャイはかまってちゃん、コビーは野性的、ニヤは世話好きなど、個性も別々で、猫をモチーフにしたお話もアイディアが膨らみました。今や、猫は大事な家族であり、創作の源でもあります」。
『ネコのラジオ局』は南部和也さんとの共著。甘え下手な猫のお話『ピッケとポッケ』、『名なしのこねこ』はとりごえさん作。子どもたちに読み聞かせも行う。 「めんどうみのいい猫」(ニヤ)など、飼い猫それぞれの性格に基づいて描かれたポストカード。 撮影/本誌・西山 航 取材・文/直江磨美
「家庭画報」2018年6月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。