インタビュー中も撮影中も、様々な表情を見せてくれた2人。取材スタッフは、素敵な2人にすっかりノックアウトされてしまった。今年5月に開催された第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、最高賞のパルムドールに輝いた是枝裕和監督による映画『万引き家族』。家族を描き続けてきた是枝監督が「10年くらい自分なりに考えてきたことを全部この作品に込めようと、そんな覚悟で臨みました」という本作で、夫婦役を演じたリリー・フランキーさんと安藤サクラさんにお話を伺いました。
――去年の夏に海水浴のシーンを撮り、それ以外は12月から今年1月にかけて撮影されたそうですね。
リリー・フランキーさん(以下、敬称略):海のシーンを撮る時点で脚本は完成していなくて。プロットはありましたから、どういう話かはある程度わかっていましたけど。
安藤サクラさん(以下、敬称略):そうでしたね。細かい部分がわからないまま撮影で。どうしようと思って、設定になっている地域をドライブしたんです。それで、こういう地域なのね、と思って。ただの気休めなんですけど(笑)。でも、一応何かやっておかないと、と。
リリー:(安藤さんとは)会わなかったけど、この間アフレコがあって。海の(はしゃいでいる)キャーキャーアフレコしたんだけど。
安藤:えー(笑)。
リリー:このアフレコが一番恥ずかしかった。はしゃぐ声が(笑)。
安藤:よかったぁ(笑)。現場で録音しましたもん。クランクアップくらいの時期に。
リリー:しかも是枝さんの事務所のベランダで。外のシーンだから、外で録音したいって言うんです。“人んちに聞こえてるよ”って(笑)。