――やっと実現した夫婦役。演じてみていかがでしたか?
安藤:是枝監督は、この家族はちょっとみんな毒がある人って言ったんですよね?
リリー:うん。
安藤:だからこそみんなすごく人の気持ちがわかるから、とても優しいんですよ。いい家族でしたね。
リリー:うん。是枝さんは信代役が安藤さんでよかったなっていうのを、撮りながら思ってるだろうなっていう感じが、すごくしましたね。ほかの人だったら想像がつかないですもん。この家族の生々しさはほかの女優さんでは想像つかない。
安藤:よかった。家族もですけど、夫婦としてもすごくいい夫婦だったと思います。
リリー:でも、意外と夫婦2人のシーンがないんですよね。是枝さんがクランクアップ前日にそう思ったみたいで、2人のシーンが撮りたいって。それでクランクアップが1日延びて予備日に2人だけで撮影を。
安藤:あの時間はすごく重要で。もう治さん(リリーさんの役名)に会えないんだとか、治さんとの時間が全然足りてないとか思いながら眠りについて、朝起きたらメールで治さんとのシーンが増えましたっていう連絡が来ていて、すごくうれしかったんですよね。
リリー:撮影が終わったあとに、俺もちょっとロスになりました。
安藤:夫婦として過ごしていないうちに夫婦になっていた感じがすごくします。それはリリーさんだったから、そういう夫婦になったんだと思います。
是枝監督の作品は4度目の出演になるリリーさん。今回の起用は、『そして父になる』でのイメージが大きかったと是枝監督はいう。