[ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ 仙石原]ダイニングの窓からは箱根の野趣ある景観を一望。マルク・シャガールのリトグラフもかけられた贅沢な空間でいただくのは吉越謙二郎シェフ渾身のひと皿「イタリア産 仔牛のムニエル」。“ザ・ひらまつ ホテルズ&リゾーツ”すべての魅力が詰まったひととき。
2016年、賢島、熱海、仙石原に小さなラグジュアリーホテルが次々とオープンしました。そこは、ディナータイムの華やいだ気持ちのまま、眠りにつける、いわば“滞在するレストラン”。人気のレストランから生まれた新しいリゾートの形をご紹介します。
熱海-Atami-
ここでしか出合えないディナーと風景を堪能する
VIPの別邸であった数寄屋造りの建築を改装したダイニング。目の前には海と空が広がります。1982年、東京・西麻布に24席の小さなレストランが産声を上げました。その名は「ひらまつ亭」。フランスで研鑽を重ねたシェフ・平松宏之さんとマダム・慶子さんご夫妻の心尽くしのおもてなしが評判を呼び、美食好きが集う名店となりました。当時は東京の街のフランスレストランシーンも黎明期。しかしその頃から平松さんには「いつか“滞在するレストラン”をつくりたい」という夢があったといいます。
それから30余年。賢島に、熱海に、仙石原に、「ひらまつ」の名を冠した瀟洒なホテルが次々と登場しました。大きく花開いた平松さんの夢。「時間を気にせず、ゆっくり料理を楽しめるレストラン、と思っていただければ」と「ザ・ひらまつホテルズ&リゾーツ 熱海」の三浦賢也シェフもおっしゃるように、主役はあくまで“瞬間の芸術”である料理。そして季節やテロワールに根差した珠玉のひと皿ひと皿は、その土地でなければ出合えない風景の中で供されます。
「天城軍鶏 腿肉のグリエと胸肉のロースト」。軍鶏のガラからとった、ストレートなうまみに溢れたスープがベースのヴァンジョーヌソースを添えて。しっとりと柔らかい胸肉、味わいの強いもも肉の対比をひと皿で感じて。ウェルカムドリンクはフランス生まれの濃厚なフルーツジュース。「ハマグリの和牛ロース巻きと筍のソテー」。
網代の魚介、熱海の猪など、地元食材も積極的に取り入れたいという三浦シェフ(右)。今日は伊豆市「天城軍鶏」の堀江さんを訪ねて。現地に足を運ぶと料理へのヒントもひらめくのだとか。熱海であれば大らかな太平洋を、賢島なら緑の島々が浮かぶ英虞湾を―。しかもディナーのすぐあとに待っているのは、心地よいベッドと温泉。幸せはどこまでも続きます。