生活習慣を改善することも重要な治療の一つに
乾癬の治療には、塗り薬による外用療法、紫外線による光線療法、飲み薬による内服療法、生物学的製剤による治療の4つの方法があります(下図参照)。
治療法は重症度、QOLの程度、患者の状況などに応じて選択され、単独もしくは複数を組み合わせて実施されます。患者とともにゴールを決めておくと治療への意欲が高まり、継続性も保たれるといいます。
「これは非常に重要なことで、患者さんに主体的に取り組んでもらうことは確実によくなるために不可欠です」(大久保先生)。
じつは乾癬は皮膚症状だけでなく関節の痛みや腫れを伴うことがあり、現在では全身性の炎症性疾患であるととらえられています。
メタボリックシンドロームとの関連も判明し、食事や運動などの生活習慣を改善することが治療のうえで重要になってきています。同外来でも必要に応じ、糖尿病をはじめ生活習慣病の専門医と連携して治療にあたります。「減量するだけで皮膚症状がよくなる人もいます」と大久保先生はいいます。
また、紹介患者の中には標準治療を受けているにもかかわらず、症状がコントロールされていないことがあるそうです。
「薬をきちんと使えていないことが大半の原因ですので、その人の性格や生活スタイルに合わせた使い方を提案します。同時にスキンケアの方法も具体的に指導していきます」。大久保先生のこうしたきめこまやかな生活指導には定評があります。