ハイクレア城に暮らす ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。水曜更新。
(今までの連載はこちら) Vol.2レディ・フィオーナのアフタヌーンティー・レシピ
伯爵夫人がゲストにすすめるアフタヌーンティーは、彼女の人柄がそのまま現れたように、堅苦しくなくアットホームな趣です。
まずは、サンドイッチ。
英国ならではの具材といえば、日本のものよりもずっと太いきゅうりを紙のように薄く輪切りにし、バター付きパンで挟んだものです。
シンプルですが、一口ほおばると口の中に初夏が訪れたかのように、きゅうり独特のさわやかな香りが広がります。
アフタヌーンティーのサンドイッチはすべて耳を切り落とし、長方形や三角形に切り分けて皿に美しく盛りつけられる。さらに、スモークサーモンのサンドイッチも欠かせません。ハイクレアではスコットランド製の上質なスモークサーモンを使っています。
これもバター付きパンにサーモンを敷き、ブラックペッパーとレモン汁を絞りかけただけ。
ちなみに、レディ・フィオーナの大好物はエッグマヨネーズです。
卵は彼女が敷地内で飼う鶏が産んだ新鮮なもの。みじん切りにしたゆで卵をホームメイドのマヨネーズであえ、塩胡椒で味を整えるだけのシンプルなもの。これをバター付きパンでサンドし、クレソンを添えます。