リズミカルに5つの仕覆を並べた横長型の額装。フレームは鈍い輝きのある銀色、マットは目の粗いベージュ色の布。複数にわたる道具の色柄が映えるよう、慎重に選んだ。茶杓や茶杓筒と金襴の仕覆を組み合わせた額は、正方形に近い形。額装によって茶道具の存在感が強調され、廊下がモダンギャラリーのような趣に。Tips4
立体額装で壁面をギャラリー風にデコレーション
額装できるのは、なにも平面的なものばかりではありません。
多美保さんのご自宅の、玄関からリビングダイニングへと続く廊下の壁面には、仕覆や茶杓などの茶道具が収められた額が飾られています。
「これらも祖母の思い出の品なのですが、今、私がお茶道具として使うことはないので、額に入れて飾っているんです」
中に入れるものの厚みに合わせて立体額をオーダー。
一つの額に全てを収めてしまわず、あえて2つの額を並べて飾ることを想定し、マンションの壁に負担をかけずに掛けられる重さに仕上げてもらったのだそう。
「ギャラリーの展示のように歩きながら自然に眺めることができるよう、目線の高さに並べて掛けています」
部屋同士をつなぐ 役目の“廊下”を、ただ通りすぎるだけの場所にせず、額装を上手く利用してモダンな空間へと演出しています。
【連載】インテリアスタイリスト 横瀬多美保の「カジュアル・リュクス」に暮らすテーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
横瀬多美保/Tamiho Yokose
インテリアスタイリスト
東京都生まれ。テーブルコーディネーター、インテリアスタイリスト。テーブルコーディネーターの故クニエダヤスエ氏に師事。女性誌や料理本、百貨店のディスプレイなどのスタイリングに携わる。新旧、和洋を自在に織り交ぜた、モダンでエレガントなコーディネートに定評がある。『家庭画報』とのおつきあいは30年近く。流行や時代の変化をしなやかに受け止めながら、幸福感漂う美しい暮らしを提案し続けている。
2018年4月より、
コミュニティFM「渋谷のラジオ」にて、隔週水曜日12時30分~12時55分『渋谷のテーブル』にゲスト出演中。
『テーブルコーディネートから始まる 美しい暮らしのインテリア365日』 2019年10月2日発売!
『家庭画報』をはじめとする女性誌で活躍する、インテリアスタイリスト・横瀬多美保さん。ご自身の1LDKでの暮らしを1年間にわたり追った『家庭画報.com』の人気連載が、ついに一冊の本になりました。コーディネートの組み立て方、“自分らしい”空間の作り方も初公開! 今すぐ活用できる暮らしのtipsが満載です。