久々の舞台出演。フランスで開かれる文学のイベントに招かれたそうだが、この公演に出るために断ったという。映像作品でも活躍する俳優・大倉孝二さんと、劇作家・演出家のブルー&スカイさんが2014年に結成したユニット「ジョンソン&ジャクソン」。その新作公演『ニューレッスン』に、いとうせいこうさんが出演します。ナンセンスな笑いの世界に乞うご期待!
――いとうさんは、以前から「ジョンソン&ジャクソン」公演への出演を希望されていたとか?
「僕はもともとブルー&スカイが書く笑いが好きで、彼が作・演出した舞台に1度客演したこともあるんです。そのブルー&スカイが大倉くんとユニットを組んだというので観に行ったら、よくこんなバカなことを考えるなと感心するほどナンセンスな笑いをちゃんとやっていて、なんだか羨ましくて。それで、楽屋で『俺も出してよ』って言ったんだけど、2人とも全然覚えていないし、いつもぼんやりしているブルー&スカイは聞いてもいない(笑)。だから今回2人は、僕が出たがっていると知らずにオファーしてきたんですよ。周りの人に『きっと無理だと思う』とか言ってたらしいから、最初からトンチンカンな感じですね(笑)」
――1980年代後半に、宮沢章夫さんやシティボーイズ、中村ゆうじさん達との演劇ユニット「ラジカル・ガジベリビンバ・システム」で人気を博していた、いとうさん。やはり舞台には立ちたくなるのですか?
「笑いの舞台だけですけどね。ラジカル~の後、シティボーイズの舞台には出ていたんだけれども、それもなくなっちゃって、自分はもう舞台に立たないのかなと思っていたんです。このところ立て続けに小説を書いていたから、しばらくぶりに体を使いたいとは思っていたんだけど、知らない人達の舞台に出るのは嫌だし。だから今回、大倉くん達のお陰でバランスを取ることができて、本当によかったなと。問題は、体力が持つかどうかですね」
――舞台出演は2013年のシティボーイズミックス PRESENTS公演以来ですか?
「そうです。その時ですら、大して動いたわけでもないのに、途中で舞台の上で後ろ向いて、ゼリー飲料で“10秒チャージ”したんですよ(笑)。疲れると頭も体もキレが悪くなるから、それでみんなの足を引っ張ることだけは避けたい。俺は役者じゃないから台詞は少なくしてくれって、最初に言ってはあるんだけど、どうなるかなあ。まあ、とにかく面白ければいいなと思ってます」
知的で博識。でも全く気取りがない、いとうさん。「したまちコメディ映画祭in台東」の総合プロデューサも務めている。