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誰でもユルく実践できる!こりを解消する「ぶらんぶらんウォーキング」

2018.06.15

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「生涯現役!養生術」第3回(全6回)

養生とは、老化を遅らせ、病気にならない体をつくるために重要な生活習慣を身につけること。「人生100年時代」を生き、生涯現役を目指す私たちにこそ必要な心がけです。

集中連載「生涯現役!養生術」第3回では、冷えの研究に従事している北里大学客員教授・伊藤 剛先生に、誰でもできる「こり」を解消する歩き方を教えていただきました。(前回の「生涯現役!養生術」第2回はこちらから。

伊藤 剛先生


北里大学客員教授
(東洋医学総合研究所漢方診療部・鍼灸診療部)
伊藤 剛先生

「生涯現役」の鍵は、長~く続ける漢方的養生


生涯現役を目指すには、生きがいや使命感など精神的要素が欠かせません。そして意欲の維持を支えるのは、何といっても元気な体。

「健康長寿の秘訣は、体を養う血流の維持です」と語る伊藤 剛先生が、こりを解消し、血巡りをよくするひと工夫を加えた生活習慣を伝授。意外なほど簡単な動きなのに、効果は理論的で折り紙付き。毎日ゆるゆると長~く続ける習慣こそが、生涯現役へとつながる道です。

全身を動かす日常の積み重ねがこりを解消し、血を巡らせる


「養生」とは、規則正しい生活と摂生を心がけること。中国医学では昔から、老化や病気を予防する手段として重んじられてきました。

「加齢は万人に等しく訪れる生物学的な衰えですが、老化は個人差があり、養生で遅らせることができます。養生の要は、体のすみずみに血を巡らせること。血液は体中の細胞に栄養と酸素と熱を運び、内臓、脳、筋肉、骨、皮膚など全身を養い、精神的な活力や意欲の源にもなります」と語る伊藤先生によると、血流を妨げる大きな要因は「こり」。

筋肉を使いすぎると筋線維が損傷して局所的な炎症を起こします。このとき身体的・精神的ストレスにより交感神経が緊張した状態のままでいると、筋肉内の血管が収縮して血流が滞り、痛みを発生させる発痛物質が出て、筋肉が痛みに敏感になり硬くなるのです。

血流の大敵・こりはどうしたら解消できるのか。伊藤先生は江戸時代の儒医・貝原益軒『養生訓』にある「流水は腐らず」の言葉を引用して、日常生活の中で体全体をまんべんなく動かすことや、ふだん使わない筋肉を伸ばす動作を増やすことの大切さを強調します。

「歩かない、デスクワークで座りっぱなし、スマホを片手にうつむく姿勢ばかりなど現代人特有の身体的ストレスが筋肉を硬くし、こりを生じ、血流を妨げ、冷え、不眠、機能性胃腸障害、生活習慣病の要因となっています。脳全体に血を巡らせるのも運動。仕事で頭を使っても一部分の血流が促されるだけで脳全体の機能維持にはつながりません」

しかし、運動に挫折はつきもの。「敗因は頑張りすぎること。楽な運動を少しずつ続ける毎日の積み重ねこそが大切」との考えに辿りついた伊藤先生は、「歩く・座る・入浴・寝転ぶ・眠る」という5つの日常動作に「ひと工夫」を加えるだけで効果的に血流を促す「ゆるゆる生活習慣」を考案しました。

遠回りのようで、実は最も確実な健康長寿への道です。
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