「木村硝子店」の蓋つきのグラスは、香りを楽しむドリンクに最適。ボウルはローマの洋食器店で見つけた「カルロ モレッティ」のヴェネチアングラス。線状の凹凸が、糸雨(しう)を思わせる。Tips2
雫の輝きのように使うガラス器
梅雨の合間に光に照らされ、きらめく雨の雫。そんな小さく儚い美しさを、テーブル上に描き出すのに欠かせないのがガラス器です。
「ガラス器は光に変化を与え、コーディネートの中に効果的な輝きをもたらします。
澄んだ雨の雫と同じ透明感は、見る人に自ずと清々しさを感じさせてくれます。
暑さや湿気が増してくる季節に、涼やかなアクセントとして使うことが多いです」
アペリティフの冷えた梅酒を注いだのは、ウィスキーのテイステイング用のグラス。蓋を開けると梅の爽やかな香りが広がります。
そして、ガラスボウルには、水にくぐらせた木いちごの葉をひらりとセッティング。
「紫陽花には毒性成分が含まれていると言われますから、食器や料理の飾りに使用する葉は別の植物のものにします。
みずみずしい葉を1枚添えるだけで、テーブルに涼感を運んでくれます」
ディオールと、樺細工(桜皮細工)を制作している秋田の「富岡商店」のコラボレーションによるトレーは、卓上の折敷とお揃いのデザイン。「アトリエジュンコ」で見つけたアイアン製のスタンドに乗せて、トレースタンドとして使用した。Tips3
揃いの折敷とトレーで全体の統一感を作る
「和の雰囲気が欲しいとき、折敷はとっても重宝するアイテムです」と多美保さん。
絣のような柄ゆきのトップクロスの上に置かれているのは、「ハウス オブ ディオール ギンザ 」で見つけた、樺材で縁取りされた杉の折敷。
金属を思わせる釉薬が個性的なリモージュの角皿に、鎌倉彫の老舗「博古堂」の皿とガラスボウルを重ねました。
白木のシャンパンクーラーとグラスを置いたトレーも、サイズ違いの同じデザインです。
「テーブルとは別に、ちょっと傍らに置いておけるトレースタンドがあると便利です。
トレースタンドというと銀色のものが多いのですが、こういった木製のものは“金”にも“銀”のアイテムにも合うのが良いところ。
トレーと折敷をお揃いにしたり、似た雰囲気のものを選ぶと全体に統一感が出ます」
日本の伝統工芸の技術を生かした品でありながらも、ヨーロッパのサイズ感で作られているため、折敷はディナープレートなどの洋食器に合わせやすいのも特長。
さらに、トレーの上に折敷2枚がぴったりと収まり重ねられるデザインになっています。
「基本的に収納がしやすいよう折敷やトレーはぴたっと積み重ねのできるものを選んでいます。
あとは縁に立ち上がりがあるものが、運びやすくて便利」なのだそう。
モノを選ぶ際には、“どうコーディネートするのか” “どう収納するのか”を熟考することが大切です。