大きく拡がるマイクロRNA検査の可能性
落谷さんは「がんの診断以外にもマイクロRNAやエクソソームには大きな可能性が秘められている」と語ります。エクソソームやマイクロRNAを人間同士が、あるいは人間と動植物がやりとりしていると報告されるようになってきたからです。
例えば、植物がマイクロRNAを使ってバクテリアの侵入を防ぐ仕組みが、人間の体内でも作用している可能性があるといいます。そうなるとエクソソームやマイクロRNAを介し、食品の組み合わせなどを使って私たちの健康を増進できるかもしれないのです。
落谷さんの夢は、人間が持つ約2500個のマイクロRNAを血液や尿、唾液を用いて日常の場で素早く検出できるようにすること、そしてマイクロRNAを指標に、生活習慣の改善やサプリメントなどによって病気になる前に体の状態を戻すということ。
「例えば薬局でマイクロRNAを測定し、レストランでその日の健康状態に合うメニューを選べるようになるといいですよね」。落谷さんの描く“未来レストラン”。その実現が待たれます。