一度は訪れてみたい憧れのホテル「アマン」は、その土地ごとに個性あるリゾートを展開してきました。アジア各地とヨーロッパにある5軒を新規取材、その魅力を解き明かします。(
前回の、個性溢れるアマンをめぐる第1回はこちらから。)
屋根のつくりが特徴的な「アマンプリ」のオーシャンビューヴィラ。プライベートプールを囲むようにして数棟の建物が建てられている。創業以来30年、大切に受け継がれてきたおもてなしの精神
アマンプリ(タイ・プーケット島)
サンスクリット語で“平和なる場所”を意味するアマン初のリゾート、「アマンプリ」がオープンしたのは1988年。
その敷地はプーケット島の西岸、アンダマン海に面した半島まるごと1つを占め、開業以来30年の時を経て、ココナッツなど熱帯の植物の間に埋もれるように建物が点在しています。
エントランスやレストランは、タイの古都・アユタヤの建築様式で統一され、天井にはマカ材、床にはチーク材など、地元産の美しい木材がふんだんに使われています。
宿泊する部屋はすべて独立していて、宿泊客専用の「パヴィリオン」と、個人所有の建物でオーナー不在のときに宿泊できるラグジュアリーな「ヴィラ」の2タイプがあります。
パヴィリオンのベッドルーム。海の見える部屋、森の中にある部屋、プライベートプールのある部屋など、さまざまなタイプの部屋がある。毎年雨季を迎える6月にはメンテナンスのため全館1か月間休業し、徹底的に部屋の修繕、手入れが施される。パヴィリオンのバスルーム。別にシャワールームもある段差のある長い回廊でつながったパヴィリオンの室内は、30年前の開業当時の美しさが保たれ、屋外にはリビング・サラ(東屋)とサンデッキが設けられ、ゆったりと快適な滞在を楽しむことができます。
パヴィリオンには屋外にリビング・サラと呼ばれる東屋が設けられている。心地よい風が吹き抜けるロビー、ミッドナイトブルーのタイルを敷き詰めたメインプール、そこから長い石段を下りたところに広がる白砂のプライベートビーチは、このリゾートの象徴。ここから眺めるサンセットは、いつも変わらぬ美しさで私たちを迎えてくれます。
アンダマン海を望み 、時間とともに移り変わる空の色を映し出すメインプール。左手にメインダイニング、右奥にはバーがある。