眠れないことは、少しも悪いことではない
不眠を訴えるかたがたは、A子さんのように、眠れないことへの不安でいっぱいになり、身動きが取れない状態になりがちです。
その場合、“寝なければならない、眠るべき”などという意識をいったん外して、「眠れないことにも意味があるのかな」と考えるのも一案です。
質のよい睡眠に必要な、朝の日光を浴びる、栄養バランスのよい新鮮な食材を適量摂る、昼間、よく体を動かすなどの生活習慣が築けていないことを気づかせるために、体が不眠を起こしているとは考えられないでしょうか。
デスクワークばかりで、ほとんど運動をしないかたに、ウォーキングなどの運動を続けるようにすすめたところ、「しんどくて眠れないのに、運動なんかしたら仕事をするエネルギーがなくなります!」といわれました。
しかし私たちの体には、しっかりエネルギーを使いきることで、新たなエネルギーが湧いてくる仕組みが備わっています。
次ページのエクササイズのように、ぐっと力をみなぎらせて交感神経を極限まで活性し、力を抜いた反動で、今度は副交感神経を活性させる、この繰り返しが、自律神経のバランスを整え、全身の気の循環を促し、質のよい睡眠を誘います。
激しい運動は必要ありませんが、力を入れて背伸びをする、ふっと緩ませるといった練習だけでも続けると、ベッドに入った途端に眠りに落ちる日が必ず訪れることでしょう。