その日いちばんおいしいものを、おいしい形で。食卓に登場するひと皿ひと皿は、日々、日本各地から届いた魚と浜田シェフが対峙して生み出された美味なる結晶なのです。 「わかめ」「赤むつ」「鮟鱇」「甘鯛と蕪」など、素材だけ書かれたメニュー。 どんなひと皿が登場するのか、わくわくする気持ちも料理へのおいしいスパイスの一つなのかもしれません。「鮟鱇」のすべてを使った、表情豊かなひと皿。最初は骨などから取ったスープでうまみを堪能、次に程よく火が通った身を味わい、最後は肝を溶いたコクのあるスープに生姜汁を落として。
パリパリに焼かれたうろこ、柚子の皮のフレークの香ばしさに、まず食欲をそそられる「甘鯛と蕪」。しっとりふくよかな甘鯛の身を、樽熟成した日本酒を使った芳醇なソースがさらに引き立てます。
香り、食感、思いがけない組み合わせなど、コースすべてに浜田シェフの感性があふれ出るコースは、あたかもエピソードが満載の映画のよう。 全10品(日によって替わります)のコースですが、魚介が主役なだけに、最後まですっとお箸も進みます。