英国貴族のお楽しみ、ピクニックという文化
英国のピクニックは、19世紀前半には既に貴族のエンターテイメントとして定着していました。テレビドラマ『ダウントン・アビー』でもおなじみ、優雅なピクニックシーンを思い出される方も多いでしょう。
ドラマ『ダウントン・アビー』シーズン1(2010)より。写真:Photofest/アフロ男性は麦わらのカンカン帽、女性はブリムの広い帽子にドレス。緑の絨毯のように美しい芝生に広げたラグの上には、冷製ローストビーフやハム、野鳥肉のパイ、デザート各種と、一流レストランさながらの、ご馳走が供されたものでした。もちろんバトラーの給仕付きで。
8代目伯爵もピクニックが大好き。
レディ・フィオーナ特製のトマトタルト
一方、レディ・フィオーナのピクニックレシピは、カジュアルでヘルシー志向。例えばトマトタルトやキッシュ、ゆでたエビをドレッシングで味わうシュリンプカクテル、大好物のエッグマヨネーズ・サンドイッチなど。
それにスコーンやケーキなども加わり、ちょっとしたアフタヌーンティーのよう。
メニューは、その都度、筆頭シェフのポール・ブルック・テイラーさんが提案し、大抵レディ・フィオーナがそれを取り入れています。
「城の前庭でのピクニックなら、スタッフも楽なはず」といい、くったくのない笑い声を立てました。