新鮮なアドリア海の魚介を、シンプル&洗練のひと皿に仕立てるレパントの海戦で得たという巨大なランタンが飾られたエントランスホールを抜け、装飾が見事な階段を上がると、そこは「ピアノ・ノービレ」。
高貴なフロアという意味のこの階は、朝食からランチ、ディナー、そしてお茶やアペリティフが自由に楽しめるダイニングスペースです。
ダイニングフロアの椅子は、座ると少し上を向いた姿勢になり、外の景色や天井画が自然と目に入るように計算されている。19世紀のフレスコ画や華やかな漆喰装飾、ゆったりと配されたモダンなソファ、そして大きなガラス窓の向こうに大運河が広がる「ボールルーム」。
色違いの織物で飾られていることから「黄の間」、「青の間」、「赤の間」と呼ばれる3つの部屋。どこもため息が出るほど美しく、いつまでも座っていたい、そんな空間です。
イタリアンレストラン「アルヴァ」を指揮するのは、弱冠26歳のダリオ・オッソラシェフ。魚介類を中心とした、シンプルなイタリアの味を提供してくれます。
「リッチョーラ(かんぱち)のカルパッチョ」には、ミニチュアサイズの自家製二十日大根の酢漬けやレッドオレンジを宝石のようにちりばめ、柑橘類のドレッシングで爽やかに。「リアルト魚市場の魚介のスープ」。シンプルな味つけだからこそ、素材の新鮮さが際立っている。ヴェネツィアの郷土パスタ「ビゴリ」とヴォンゴレ(あさり)。モチモチした手打ちビゴリの味わいと貝のうまみのシンプルな郷土料理に、真っ赤なペペロンチーノが見た目にも味にもアクセントを与えている。さらにホテルの料理のコンサルタントを務めるミラノ郊外の有名店「リストランテ・ド」のダヴィデ・オルダーニシェフの特別料理もメニューに数品並んでいます。
でも少し長逗留するのであればぜひ試してみたいのが、シェフと市場へ一緒に行って素材を選び、好みに応じて料理してもらうというプラン。
私のためだけの特別料理、そんな気持ちにさせてくれる心遣いは、イタリアらしい、アマンならではのサービスです。
シェフと一緒に有名なリアルトの魚市場へ。ヴェネツィアならではのすみいかやかになどを購入。庭が大運河に面するホテルはアマン ヴェニスだけ。夏期には庭で食事も可能。