夕方からは待望の「ザ・オリエンタル・スパ」へ。
ホテルの対岸の別棟にあるスパへは、専用ボートで川を渡っていく、というアプローチも素敵。期待は高まります。
100年前のチーク材を使った家を復元したというスパは、アロマの香りと静寂に包まれています。蓮池の両側にトリートメントルームが並びます。今回は母とふたりでスパスイートを利用しました。
日本語ホームページから予約していた内容を確認し、私はアーユルベーダをアレンジしたメニューで、母はベーシックなアロママッサージをセレクト。お茶を飲みながら、簡単な英語を使ってのカウンセリングのあとは、丁寧なトリートメントに身をゆだねました。
ディナーは再びボートに乗って、タイレストラン「サラ リム ナーム」へ。
ここでは、目の前であでやかなタイ舞踊を楽しみながら洗練されたタイ料理を楽しむことができます。タイワインも味わいました。
ディナーのあとは、ワット・ポーの夜間拝観へ。
ここは夜が本当におすすめです。観光客も少なく、月明かりの下、ライトアップされた仏塔は本当に神々しくドラマティック。巨大な涅槃像は夕方までしか拝めませんが、何と入場無料です。ワット・アルンの夜景よりも個人的にはこちらをおすすめします。
常に人気ホテルランキングの常連として知られている「マンダリン オリエンタル バンコク」ですが、ついに著名旅行雑誌「コンデナスト・トラベラー」の読者投票で、2017年世界No.1ホテルに選ばれたそう。
観光にも便利な立地、ほどよい規模感、機能性と優雅さの両立、など魅力は多々ありますが、実際に宿泊してみて、「またここに帰ってきたい」と思わせる一番の理由は、他のホテルとは段違いのホスピタリティにあると思いました。
すべてのお部屋にはプライベートバトラーサービスがついていて、ベッドサイドにあるボタンを押すだけで、各フロアに待機しているバトラーが「マダム、何か御用ですか?」とすぐに対応してくれます。
また、朝食のためレストラン階に降りようと廊下に出た際、離れたところにホテルスタッフが見えました。笑顔で「サワディーカー」とあいさつをしながらすれ違ったあと、エレベーター前に来てみると、すでに下に降りるボタンが押してありました。
ゲストのニーズを察し、さりげなく先回りをする。そんな気配りを感じられる場面が滞在中何度かありました。どんなにゴージャスな欧米のホテルでも感じられない、アジアならではの「思いやりの心」。これこそがこのホテルを一流たらしめている最大の魅力なのです。
また、スパやアフタヌーンティー、食事と、ホテルから出ずとも一流のものがゆっくりと楽しめるのが、母にはとてもよかったようです。3日間という短い滞在でしたが、疲れ知らずで大満足の母娘旅。親孝行にぴったりの、おすすめしたいホテルです。
Information
MANDARIN ORIENTAL,BANGKOK
48ORIENTAL AVENUE,10500 バンコク、タイ
取材・文・撮影/三田真理子(『家庭画報』編集部)