柔らかな感性が紡ぎだす、類い稀な表現力。世界のトップスケーターたちにもファンが多い髙橋さんのスケーティングは観る者の心を揺さぶります。2017年『家庭画報』1月号「髙橋大輔 今、新たなる飛躍へ」特集より 撮影/平岩 享 勝つためではなく、自分のスケートと向き合うためにやり切りたい
別人格を憑依させ、舞台上で君臨するダンサーの顔も、取材相手の方々の心情に寄り添うキャスターの顔も、それぞれ魅力的ではありますが、でも「フィギュアスケートが軸にないと自分はだめ」と髙橋さん自身が言い切るように、ファンの皆さんも一番見たいのはスケーター・髙橋大輔なはず。
長光歌子コーチも「結果より、これからの過程を一緒にできることが嬉しい」と語っていました。直前に報告した織田信成さん、浅田真央さんも現役復帰の選択を大賛成してくれたとのこと。心強い応援団ですね。
今後の意気込み、目標を聞かれ、「楽しみな気持ちしかない。勝てなくて当たり前。世界を牽引している2人(羽生結弦選手、宇野昌磨選手)と全日本選手権の最終グループで滑りたい、一緒に6分間練習をするのが目標! 30代でも進化できるということを12月の全日本選手権で示したい」と熱く語っていました。
大丈夫です。30代でも進化できることは、織田信成さんも証明してくれています! いっそのこと、織田さんも現役復帰してくれたら、さらに盛り上がるのですが(笑)。
一度きりの人生。次のステージへ向かうためにも、自分自身が納得できるまで、自身を追い込んでスケートに向き合う選択をした髙橋さんの勇気にエールを送ります。撮影/『家庭画報』編集部髙橋大輔選手。まさか、また“選手”と書ける、呼べる日が来ようとは。感無量です。
世界のスケーターたちからも愛され、リスペクトされるレジェンドスケーターが、また地方大会から始めるその覚悟は並大抵のものではないはず。
そうまでしても、「将来的にはパフォーマーとして生きていきたい。限界を感じるまで最高のパフォーマンスをしたい。
そのためには現役の競技者として、もう一度スケートに向き合うことが必要で、そうすることによって自分のスケートを取り戻せると確信している。
勝つためではなく、自分のスケートと向き合うためにやる」と切に願った髙橋さんの帰還を心から応援します。置き去りにしてきてしまった落とし物、忘れ物をしっかり見つけ出せますように。
FS(フリースケーティング)の振り付けはブノワ・リショー氏、SP(ショートプログラム) はデヴィッド・ウイルソン氏。
FSはすでに振り付けを行っているとのこと。夏のアイスショーでのお披露目が待ち遠しいですね。
羽生結弦選手、宇野昌磨選手、ネイサン・チェン選手といった現・最高峰のスケーターたちとの競演を、まずは、ご自身が誰よりも楽しみながら、艶と凄みを増した表現力でフィギュアスケートの醍醐味を思い切り堪能させてほしいです。