紋紗
〜人間国宝・土屋順紀が生み出す超絶技巧〜
透ける紗と平織りを交互に織ることで地紋を織り出した夏の織り。土屋さんは、この複雑な織り作業を振綜(ふるえ)と四枚綜絖だけの手織りで行います。
モダンアートのように石畳文様の大きさを変えた上に、さらに絣文様を加えた、唯一無二の作品がここにあります。
きもの/土屋順紀(矢代仁) 帯/おび弘 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 バッグ48万1000円/ルイ・ヴィトン(ルイ・ヴィトン クライアントサービス)「踊月吟花」月を愛でて詠み、花の美しさを謳う清々しい気分と、夜の幻想的な印象を表現した、平成24年日本伝統工芸展に出品した作品。
小さな石畳文様を地紋に、インド茜で染めた紅色、刈安の黄色、そしてインド藍の蒼を絣で織り込み、花々が水面に映る様を描きました。撫子を刺繡した絽綴織り袋帯で、季節を先取りした装いに。
きもの/土屋順紀(矢代仁) 帯/おび弘 帯揚げ/和小物さくら 帯締め/道明 ピアス50万7000円/ミキモト(ミキモト カスタマーズ・サービスセンター)「海境(うなさか)」
透明な海を表現することで海の世界と人間界の境の物語を紡いだ作品。藍を5段階のグラデーションに染めた糸で、格子に濃淡を取り入れています。
紋紗の地紋である石畳文様の大きさも徐々に変え、奥行きある表情に。槐の蕾で染めた黄色を藍の薄い部分に一筋入れて、煌めきを加えて。