貴族の社交イベントロイヤル・アスコット競馬
さて、ロイヤル・アスコット競馬は毎年6月中旬から5日間にわたり開催にされます。スポーツイベントでも「ロイヤル」と冠されると王室主催を意味し、女王がお出ましになりますから、王室関係者や貴族のドレスコードは正装です。つまり男性はシルクハットにモーニング、女性は帽子に膝下ドレスなど。特にアスコット競馬場ではレディたちの華やかなで有名です。
女性たちは個性が光る帽子をアイコンに、ドレスアップしたスタイルで会場に花を添えます。(上2点・筆者撮影)カナーヴォン家にとっても特別なイベント
現8代目伯爵のお父さまは、エリザベス女王の競争馬の飼育・調教を一手に引き受けていましたし、現在も伯爵の弟君と妹君のご主人ジョン・ウォーレン氏が、王室御用達ハイクレア・スタッドを城の近くで経営しています。
7代目カナーヴォン伯爵と夫人。1992年のロイヤル・アスコット。7代目カナーヴォン伯爵と競走馬。そんなわけで、カナーヴォン家にとってロイヤル・アスコットは決してはずせない伝統的なイベントなのです。今年のアスコット競馬でも女王の持ち馬3頭が活躍しました。
次週も引き続きロイヤル・アスコットについてお届けします。お楽しみに。
●フィオーナ・カナーヴォン伯爵夫人/ロンドン生まれ。6人姉妹の長女。 セント・アンドリューズ大学で英語とドイツ語を専攻、ロンドンで国際会計士として働く。1999年カナーヴォン伯爵と結婚。一人息子エドワードの母。ハイクレアのガイドブックをはじめハイクレア絡みの数々の著書をしたため、歴史家として知られる。趣味は乗馬、読書。オフィシャル・サイトは
https://www.ladycarnarvon.com/●ハイクレア城に暮らす/ドラマ『ダウントン・アビー』で一躍脚光を浴びた英国ハイクレア城。その城に今も住む第8代カナーヴォン伯爵家の人びとのライフスタイルを、英国フリーライター山形優子フットマンが取材。貴族の暮らしに息づく英国文化をご紹介します。
(今までの連載はこちら) 山形優子フットマン/Yuko Yamagata-footman
フリーライター
上智大学文学部社会学科卒業。カルフォルニア州立大学心理学科でヒューマニスティック・サイコロジーを専攻、修士課程修了(ロータリー財団奨学生)。新聞記者を経てフリーライターに。在英約30年。イギリス人男性と結婚、3人の娘の母。著書に『憧れのイングリッシュガーデンの暮らし』(エディシォンドゥパリ)、『なんでもアリの国イギリス なんでもダメの国ニッポン』(講談社文庫)他。