ラテン系のルックスで、ミュージカル『アダムス・ファミリー』のゴメスはまさにハマリ役だった。――確かに幸せな再会ですね。いまや橋本さんはミュージカルでも大活躍。「劇団☆新感線」は豪華なゲストを迎えながら常に進化し続ける超人気劇団。昨春オープンした、客席を舞台装置がぐるりと取り囲む特殊なステージも見事に使いこなしていて。
「すごいですよね。この間ちょっとステージに立たせてもらったら、とにかく空間がデカい! ここでやるのか!と、そこでまた腹が決まりました。まだ今回どんなセットになるか具体的にはわかっていないんですが、なにせ客席が真ん中にある劇場。バンドが生演奏する音楽が軸になった『メタルマクベス』は、作品的にも、お客さんを巻き込んでつくっていく劇場空間にうってつけだと思うので、客席にガンガン入って行ったろ!と思ってます」
――橋本さんの劇団復帰作としても、うってつけでは?
「確かに初演を観た時は、“この作品、やりてー! なんで俺は客席にいるんだ!?”と心底思いました。でも、あれから12年経ってますからね。今の僕には、同じ役をdisc2で演じる尾上松也さんと、disc3で演じる浦井健治くんが眩しすぎます。キラキラした2人と俺じゃ、肌の輝きからして全然違うのに、チラシに3人並べるなんて、残酷ですよ(苦笑)」
――橋本さんのいぶし銀的な輝きも素敵です。メタルな扮装の似合い方にも、年季が入っているというか。
「そうか、年季でなら勝負できるな(笑)。僕のロック魂は、若い頃から全く変わってないから。最初に、岡崎 司さんが作曲した『きれいは汚い、ただしオレ以外』(作詞は宮藤官九郎さん)という『メタルマクベス』の劇中曲をレコーディングした時も血が騒いじゃって、録音ブースで1人ライブ状態でした(笑)。松也くんも健治くんもそれぞれ個性を出してくると思うので、僕は僕で今の等身大でこの役にぶつかっていこうと思います。disc1のメンバーとして、とりあえず先陣は切りますが、8月に公演が終われば、あとはお客さんになるだけなので、disc2、disc3を観るのが楽しみです」