江戸の歴史と食文化を色濃く残す東京・日本橋。この街を支える老舗の若き主人たちは、今熱い想いに満ちています。それは、2020年に向け、街ぐるみで取り組む「糖質オフ」プロジェクト。
伝統を守りながらも時流に合わせた柔軟な変化を取り入れ、次の世代につなげることこそ「江戸前」。そんな心意気が新しい潮流を生み出しました。
今回は日本橋にある「日本橋ゆかり」の野永喜三夫さんが考案した、“食べて健康になる”ヘルシー昼膳をご紹介します。(
前回の、江戸前「糖質オフ」昼膳 第2回はこちらから。)
日本橋ゆかり 野永喜三夫さん「2020年の東京が目指すのは“食べて健康になるおもてなし”です」
東京食材の掘り起こしや扱い方の提案など、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、準備に余念のない「日本橋ゆかり」3代目の野永喜三夫さん。
「“食べて健康になる”料理でおもてなしをするのが、僕たちの役割。ヘルシーなイメージでとらえられている和食ですが、常に見直すことを怠ってはいけないと肝に銘じています」。
今回の糖質オフ献立を考えるにあたり、まず精進料理の手法をさらい直したと話します。
「油の使い方が素晴らしいんです。例えば食材を“揚げる”ことで、油のうまみが食材にプラスされ、奥行きが深くなる。粉をつけなくても十分だ、と新たに気づくきっかけにもなりました」。
また、締めのご飯の代わりにプリンを持ってきたのも、日頃より“NEW(乳)和食”を提唱している野永さんらしいこだわり。
「江戸っ米ぷりん」は、生産者のかたがたと二人三脚で完成させたライスプディング。
「腹持ちもいいし、甘いもので心をも満足させる、うちのスペシャリテです。東京生まれの食材があるからこそ完成した一品。生産者さんあっての料理人だと痛感します。糖質オフの献立を召し上がりながら、東京の食材の可能性も感じていただけると最高ですね」。