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前回まで)「オーレリアン」とは、蝶を愛する人々のことを意味します。幼少期から蝶を愛でてきた今森光彦さんのアトリエが「オーレリアンの庭」と名づけられた由来です。今森さんの新しい農地にも、何十種類もの蝶が舞う日は近いでしょう。
今森光彦 環境農家への道
第15回 アゲハチョウを招くには
ハナトラノオの蜜を吸うナガサキアゲハ。大型で優雅に飛ぶ、庭には欠かせない存在。(写真・文/今森光彦)
光の田園が、黄金色に輝く季節がやってきた。
クズの花の甘ったるい香りに誘われるように土手をかけあがると、広々とした棚田の風景のなかに、人影がいくつも動いている。たわわに実ったイネの収穫が、間もなくはじまるようだ。
金属色の翅が、みる角度によって青や緑に輝くカラスアゲハ。開墾している農地は、おおまかな道をつくったあと、畑、雑木林、湿地にする場所のレイアウトを決めた。
それらの環境が移り変わるところに、花や蝶の幼虫が食べる植物などを、植える計画をしている。と言っても、この計画は、すでにはじまっていて、竹の駆除をやり終えたと同時に、実行している。