翅を休めるキアゲハ。この蝶の幼虫は、柑橘類ではなくニンジンやセリなどの葉を食べる。蝶のなかで、特にこだわっているのは、アゲハチョウの仲間たち。
アトリエの庭には、キアゲハ、ナガサキアゲハ、カラスアゲハなど、七種類が棲息している。どれも大柄で優雅に舞ってくれ、季節の魅力をより引き立ててくれる蝶ばかりだ。
夏ミカンは、特にナガサキアゲハのお気に入り。現在、アトリエの庭には、70種類を上回る蝶がみられる。光の田園には、80種類くらいの蝶が棲息しているので、ほとんどの蝶がアトリエの狭い敷地で出会えることになる。
面積が小さいにもかかわらず、これだけの蝶がいるのは、環境づくりに加えて、食草である植物に気を配って育ててきたからだ。
農地の方も、この多様性に富んだ庭づくりをお手本にしようと思う。
カラタチには、ナミアゲハやクロアゲハがやってくる。 アゲハチョウの多くは、幼虫が柑橘類の葉を食べる。今までユズ、ヒメユズ、夏ミカン、レモン、キンカン、カラタチ、サンショウなどを植えてきた。農地にも、これらの苗木を植えるつもりだが、ミカン科の植物は、どれも木本で生長するのに数年以上かかるため、レイアウトを考えながら植栽する必要がある。
今森光彦
1954年滋賀県生まれ。写真家。 切り絵作家。
第20回木村伊兵衛写真賞、第28回土門拳賞などを受賞。著書に『今森光彦の心地いい里山暮らし12か月』(世界文化社)、『今森光彦ペーパーカットアート おとなの切り紙』(山と溪谷社)ほか。
『今森光彦の里山の切り絵 オーレリアンの花と生きもの』 世界文化社から好評発売中です。詳細>>