英語が堪能ですぐにジョンさんと打ち解けた別所さん。東急シアターオーブで9月16日~30日に上演のミュージカル『マイ・フェア・レディ』に出演予定。 ――アンドリュー・ロイド=ウェバー版の『オペラ座の怪人』では、ファントム役としてウエストエンド最多出演数を誇るジョンさんですが、ケン・ヒル版への出演は今回が初めてだそうですね。
JOJ:「その通りです。自分としては、ロイド=ウェバー版とはまた全然違う魅力を持ったケン・ヒル版に日本で初挑戦できることを、とても楽しみにしています。実は、ケン・ヒル版への出演を決めたのは、日本で上演すると聞いたからなんです。まだ台本や音楽を確認する前に、やろうと決めました」
別所:「おおっ! そうでしたか!」
JOJ:「それほど日本の観客の皆さんは素晴らしくて、僕は日本でコンサートやイベントに出るたびに、いい経験をさせてもらってきました。この『オペラ座の怪人~ケン・ヒル版~』で、一つの作品の中で役を全うするところを日本の皆さんに観てもらうという夢も、やっと叶えることができます」
別所:「僕らとしても、ジョンさんのファントムを生で味わえることは、喜び以外の何物でもありません。お客さんはもちろん、日本でミュージカルに携わっている俳優さん達も、とても楽しみにしていますよ」
――ケン・ヒル版の最大の特徴は音楽。ヒル氏が物語に沿った歌詞をつくってあてた、オペラの名曲のスコアがちりばめられています。
JOJ:「ええ、そこが一番面白いところだと思います。ロイド=ウェバー版は、そもそもはケン・ヒル版をウエストエンドで上演しようとしていたアンドリューが、結局は自分で曲を書いて生まれたもの。その世界的大ヒットの陰に隠れて、ケン・ヒル版は忘れ去られているような印象がありますが、実はケン・ヒル版はケン・ヒル版で大成功しているんです。それはやっぱり、音楽が非常に美しいから。きちんとした歌の教育を受けていない僕にとっては、そこは大きな挑戦でもあります。スコアがオペラ的で、発声も色々違ってきますからね」
別所:「僕は残念ながら、まだどの『オペラ座の怪人』にも出たことがないんですが、ジョンさんを見て勉強します! というのも、僕も歌の訓練をきちんと受けたシンガーではないんです。大学時代に『ファンタスティックス』のオーディションがあることを知って受けに行ったら合格。歌も踊りもできないのに、いいんでしょうか?というところからスタートしたので」
JOJ:「そうなんですね。僕は俳優学校には通っていましたし、そこでは歌のレッスンもありました。ただ、最初の歌のレッスンで、先生に『あなたは生まれつきいいものを持っているから、もうこれ以上レッスンを受けなくていい』と言われて。だから今も、発声練習はほとんどしませんね。心がけていることといえば、しっかり睡眠をとることと飲みすぎないことぐらいです(笑)」