【作り方】
1:ニンニクオイルを作る。ニンニクは皮をむき芯を取り除き、3mmの角切りにする。
2:1をオリーブオイルと共に鍋に入れ、極弱火にかける。ぷつぷつ泡立つ程度の温度で、オイルにニンニクの香りを移すように途中かき混ぜる。
3:2のニンニクがきつね色になったら濾して、オイルはニンニクオイルとして、ニンニクはニンニクチップとして常温保存する。保存期間はニンニクオイルが2週間、ニンニクチップは1週間。
4:トマトソースを作る。トマトはヘタの部分をくり抜き、皮ごと1cm角にカットする。トマトの種も旨みの一つなのでそのまま使う。
5:フライパンにニンニクオイル大さじ1をひき、中火にかける。油が温まったら4を入れ、強火で軽くトマトの酸をとばしたらトマト缶を入れ、そのまま中火で煮詰める(煮詰める時間が長いほど丸みを帯びた酸味のトマトソースになる。酸味はお好みで)。
6:5が半分くらいまで煮詰まってトマトの酸の角が取れたら、野菜ブイヨンを入れ、お好みの濃度まで再度煮詰め、後で料理に使うことを考えて少しの塩で味を整える。写真は煮詰め終わりのイメージ。
7:ジェノベーゼを作る。バジルの葉を湯通しして、氷水で急冷する(殺菌と色止めを兼ねる)。
8:すべてをフードプロセッサーに入れ攪拌する。回しすぎると香りが飛んでしまうので、仕上がりは写真程度に。
9:賀茂ナスを厚さ1.5cmにスライスし、両面に軽く塩をまぶし、そのまま15~20分くらい室温におき灰汁抜きする。ナスから水分が出たら流水で塩を洗い流し、水気を切っておく。
10:フライパンにニンニクオイル大さじ2を入れ火にかけ、温まったら9を入れ両面をこんがり焼き(軽く焦げ目が付くくらい)、オーブン用のバットにオーブンシートをひき並べる。
11:10のナスの片面にトマトソース(総量で70cc)を塗る。その上にモッツァレラをちぎってのせ、ジェノベーゼ適量をスプーンで数か所にのせ、お好みでパルミジャーノを振りかけ、200℃のオーブンで10~15分焼く。
著者は東京・小石川のイタリアンレストラン「シンプル リトル クチーナ」オーナーシェフ。料理は野菜が中心で、肉、卵、チーズ以外の乳製品を使いません。しかし肉好きが敬遠する「健康そうだけど物足りない料理」ではなく、肉好きをも満足させる充実した美味しさが特徴です。秘密は昆布だしをはじめとするだしの使い方にあります。かといって和風イタリアンではなく、「佐藤夢之介のイタリアン」としかいえない料理なのです。四季のレシピをお楽しみください。
佐藤夢之助(著)
定価:本体1,500円+税