江戸の歴史と食文化を色濃く残す東京・日本橋。この街を支える老舗の若き主人たちは、今熱い想いに満ちています。それは、2020年に向け、街ぐるみで取り組む「糖質オフ」プロジェクト。
伝統を守りながらも時流に合わせた柔軟な変化を取り入れ、次の世代につなげることこそ「江戸前」。そんな心意気が新しい潮流を生み出しました。
今回は日本橋にある老舗すし店3軒が集って考案した、「糖質オフずし」をご紹介します。(
前回の、江戸前「糖質オフ」昼膳 第3回はこちらから。)
江戸時代初期に魚河岸が開設された日本橋。現在の日本橋本町から日本橋室町にかけてのエリアにあった市場は1935年に築地に移転するまで、江戸、そして東京の台所を支えてきました。長い歴史を誇るすし店が多いのも、そんな魚河岸時代の名残の一つ。
「街を挙げての糖質オフプロジェクトなら、我らすしも欠かせないでしょう!」と魚河岸のスピリットを守るすし店3軒が、今回画期的なプランを登場させました。それは「3軒で同じ献立を提供する」昼膳です。
「“江戸前”のすしといえば、それぞれのネタに施した仕事も見せ場の一つ。店によってその技はかなり異なるのです。シャリの塩梅も、例えばづけの仕込みも全く違う。ですから同じ献立でも、3軒ともに違う“江戸前”の味に出会えるということ。これはすし屋でなくてはできないコラボレーションです!」(「繁乃鮨」佐久間一郎さん)。
日頃から公私ともに交流の深い3軒が集い、シャリ控えめに、巻き物は外す、小鉢に海藻を加えるなど、特別昼膳のメニューを吟味。3軒を食べ比べると、江戸前ずしの真髄が見えてくるかもしれません。