趣味はドラムとギター。「楽器は中学生頃から弾き始めました。最近は昔ほど熱心に音楽を聴かなくなりましたが、楽器を触ることは好きですね」落ちこぼれ忍者・うずまきナルトの成長を描いたバトルアクション『NARUTO‐ナルト‐』。この海外にも多くのファンを持つ超人気コミックが、新作歌舞伎となって新橋演舞場にお目見えします。ナルト役を演じるのは、坂東巳之助さん。古典歌舞伎のみならず、やはり漫画を歌舞伎化して大成功したスーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』でも目覚ましい活躍を見せました。
――10歳の頃に『NARUTO‐ナルト‐』のコミックと出合って以来、大ファンだという巳之助さん。今回のオファーを聞いた時は、さぞ興奮したのでは?
「そうですね。とはいえ、単純に嬉しい気持ちだけではありませんでした。 (市川)猿之助さんがおやりになるところへ呼んでいただいた、スーパー歌舞伎Ⅱ『ワンピース』の時と違って、今回は僕が主人公のナルトをやるわけですし、僕以外にも数えきれないほどいる“ナルト大好き少年”を、不快にしたり、傷つけるようなことがあってはいけないですから」
――悪戯好きで仲間思いの忍者ナルトの魅力を、巳之助さんご自身はどんなところに感じていますか?
「“明るい”というのが、誰もがナルトに対して抱く第一印象だと思いますが、単に明るいのではなく、暗い過去や重い秘密を背負っていながらも明るいところ。そこにナルトの強さだったり、魅力的な点があると感じています。その明るさも根っからのものではなく、暗い過去があるがゆえに、明るくなるしかなかった人だと、僕は思っています」
――そんなナルト演じるうえでの現段階の課題は何でしょう?
「まず年齢が全然違うところですね。ナルトは僕よりも10歳以上年下ですから。ちゃんと若く見えるようにするというのは、古典の歌舞伎で前髪(元服前の男子)を演じる時も大事なこと。ナルト相応の年齢の青年に見えるようにするというのが、現時点で言える第一の課題じゃないかと思います」
――ナルトの親友にしてライバル、うちはサスケ役を演じるのは、中村隼人さんです。
「隼人くんと一緒にこういうものができるのは、純粋に嬉しいです。最近は共演の機会も多い後輩で、サスケ役にもピッタリだなと思っています。出演が決まって以来、こんな作品になったらいいねという話も色々してきました。お互いに、思っていることはきちんと言えているので、それはいいことかなと思っています」