季節ごとに肌悩みがあるように、髪や頭皮にもその時季ならではのトラブルがあります。年齢を重ねるに従って、それはますます大きな悩みの種に。
けれどそんな髪と頭皮の悩みが、ドライヤーでかなり解消できるということは、意外と知られていません。
ケア専門のヘアサロン「サロン・ド・リジュー」の代表・永本羚映子さんに、3回にわたり、季節の髪悩みを解決するためのドライヤーテクニックを伺いました。
第1回 湿気で髪がまとまらないときの簡単ドライヤーテクニック第3回(最終回)華やかなヘアを演出したいとき、プラスひと手間のドライヤーテクニックながもと・れえこ●1961年東京生まれ。サロン・ド・リジュー代表、毛髪診断士。2002年、アンチエイジングの観点からヘアケアとスカルプケアに特化した専門サロンをオープン。現在はサロン運営のほか、髪と頭皮のための商品開発なども行う。大人の髪悩み Vol.2
気になる頭皮のかゆみ、ベタつきは、洗髪後のドライヤーで軽減
帽子を被ることが増えたり、紫外線を浴びてしまったりと、頭皮の蒸れや刺激の原因が増えるこの季節。
毎日シャンプーをしているのに、なんだか常に不快感がある…という人はいませんか? そんな頭皮のかゆみやベタつきに、永本さんが答えてくれました。
「夏場のこの時期、日本は高温多湿。頭皮環境もトラブルが起きやすい状態になっていますから、いつも以上に頭皮ケアが重要です。
それに加えて、加齢によるホルモンバランスの乱れや代謝の低下、食生活の乱れ、ストレスなどでも皮脂分泌量が増える傾向に。
それらの複合的な原因から、汗や皮脂などの分泌が増え、それが頭皮の毛穴の詰まりとなって、シャンプーでも十分落とせずに酸化し、常在菌と結びついてニオイを発生させたり、炎症の原因となって赤みやかゆみを引き起こしたりするのです」。
つまり、年齢的な問題と季節的な問題がダブルパンチとなり、食生活やストレスなどの生活習慣の原因と組み合わさって、常にトラブルを起こしやすい状態になっている、ということだったのです。
写真/PIXTA高温多湿&加齢に対抗する、抗酸化フードとシャンプーテクニック
こんな劣悪な環境にさらされている頭皮、どうすればトラブル知らずの健全な状態に戻すことができるのでしょうか。
「まずは食生活の改善が効果的です。タンパク質、ビタミン、ミネラルを中心にバランスよく摂取し、脂質は良質の油をとるようにしましょう。抗酸化サプリメントもおすすめです。また睡眠や食事の時間帯が不規則になっていないか見直しを」
さらにシャンプーがとても重要、と永本さん。
「シャンプー剤は刺激が少なく、良質な洗浄成分のものを使い、痒くても爪を立てたりせずに、マッサージするように洗いましょう」。
またすすぎもシャンプー以上にポイントに。
「シャンプーにかけた時間の倍くらいの時間をかけて、徹底的にすすぎましょう。特に髪の毛だけでなく頭皮をすすぐことを意識して。
頭皮をマッサージするように行えば、血流も良くなり安眠効果もアップします。頭皮には筋肉がほとんどないので、意識的にケアしないとうっ血しやすいということも覚えておきましょう」