「オテル・ルテシア」の外観。オープンしたて!観光の都パリで大注目のホテル3軒
(パリ特派員:大島 泉)
2024年のオリンピック開催も決まったパリ。数年来のテロの悲しい影も薄れ、「世界一の観光都市」としてどんどん脱皮を続けています。
老舗ホテルも大改装のラッシュが到来。今年改装オープンしたばかりのホテルの中から、現在のパリのトレンドである、地下にプールとサウナを設けた、居心地の良いホテルを3軒をご紹介します。
1 オテル・ルテシア
フランスのアーティスト、ファブリス・ディヴェイールの天井画が施された、「サロン・サン・ジェルマン」。4年の沈黙を破り、満を持してオープン何といってもこの夏のパリの話題は、4年もの間閉まっていたルテシアのオープンです。
右岸のパラスホテルである、クリヨンやリッツのリニューアルに続いて、この7月に、左岸の歴史的ホテル「オテル・ルテシア」が、大工事を経て、華麗に扉を開きました。
左岸のエスプリが宿るホテル1910年に、デパート「ボン・マルシェ」のオーナーによって、顧客や取引先の宿泊用に建てられたオテル・ルテシア。大切なゲストのためのホテルとあって、アールヌーヴォーの優美なシルエットと、アールデコのスタイリッシュなディテールが共存するデザインで、当時の最新の技術が駆使されていました。
ホテル外壁にモザイクで描かれた紋章。パリの起源である、ガロ・ローマ時代の名称「リュテス」から「ルテシア」と名づけられ、パリ市の標語である「たゆたえども沈まず」という船の描かれた紋章が、ホテルのシンボルとなり、モザイクや石細工などがあちこちにあしらわれました。
ラスパイユ大通りに面したエントランス。左岸の知識人、アーティストが集うホテルとして、またブラッスリーとして唯一無二の存在となったルテシアですが、第2次世界大戦直後には、強制収容所からの生還者たちが家族を探す拠点となったこともあります。 70年代には、ソニア・リキエルの手によってインテリアの手直しがなされ、サンジェルマン・デプレのシンボル的ホテルであり続けてきました。