ネイサン・チェン選手 「Mao’s Last Dancer」178.46点
ハビエルの次に登場したのが、アメリカのネイサン・チェン選手。前日、10月6日の練習を取材したときには「この時期でもう全開?」と驚くほど、スピードもあり、ジャンプもスピンもキレキレだったのですが、試合では少し抑えめにしていた印象でした。ここであまり張り切りすぎて、怪我をするのだけは避けたいですものね。とはいっても、冒頭の4回転ループ、4回転ルッツ-ダブルトウループの高いこと! あまりに軽々と跳ぶので、トリプルかな?と思ってしまうほどです(苦笑)。
そんなわけで、ジャパンオープンでの印象としては「平昌五輪に合わせて、ゆっくりと仕上げてくるのかな」と思っていたのですが。わずか2週間後の10月20日~22日に行われたロステレコム杯では、ギアを一段上げてきていました。珍しくジャンプの乱れがあった羽生結弦選手を抑え、ショートプログラム(以下、SP)の貯金をいかし293.79点で優勝。FSでは5種類の4回転を予定していましたが、今回はループを回避していました。5種類の4回転を飛べることもあり、「4回転ジャンプの申し子」とよく評されますが、ネイサンの魅力はジャンプだけではなく、つなぎの美しさやポージングにもあると思います。平昌五輪に向けてどこまで調子をあげてくるのか、注目の一人です。
ロシア・ロステレコム杯 293.79点(SP100.54点、FS193.25点)
2017年2月に韓国・江陵で行われた四大陸フィギュアスケート選手権のFSで、史上初となる5回の4回転ジャンプを決めて優勝し、試合ごとに著しい成長を見せる18歳。昔、習っていたバレエと体操の効果で軸がぶれにくく、滑りが美しい。