ゲストスケーター 町田 樹さん 「ドン・キホーテ ガラ2017:バジルの輝き」
惜しまれつつ、2014年12月28日全日本選手権をもって現役を引退した町田 樹さん。現在は早稲田大学大学院生としてスポーツ科学研究科博士後期課程に在学し、研究の材料としてアイスショーに時折出演されています。現役時代から、自分なりの解釈でプログラムに深く寄り添い、独自の世界観を表現する町田さんのスケーティングは、中毒的なファンを多数生み出していましたが、さらに深化していました。2016年のジャパンオープンで拝見した時にも感じましたが、本当に道を切り開いていますね。今回のジャパンオープンで町田さんが演じたプログラム「ドン・キホーテ ガラ2017:バジルの輝き」は、3幕構成となっていて音楽、振り付け、衣裳、照明が、繊細にそして大胆に構成された作品なのですが、その長さ、スケールすべてが規格外。古典バレエの余韻を漂わせつつ、氷上作品として完成されているという、新たなフィギュアスケートの有り様を提示していました。「町田沼」の魅力、やはり底なしです(笑)。
間違いなく、ジャパンオープン2017の主役の一人だった町田 樹さん。演技を見ながら、高村光太郎の『道程』の一節、「僕の前に道はない 僕の後ろに道は出来る」という言葉が脳裏に浮かんでいました。