歯周病と全身の病気の主なかかわり
●呼吸器感染(誤嚥性肺炎)・口腔細菌の酵素により粘膜が損傷し、感染の足場となる。
・口の中の衛生状態が悪くなると、唾液などに混じる口腔細菌が増え、誤嚥性肺炎のリスクが高まる。
●妊娠異常・歯周病になると産生される炎症性サイトカインが子宮の収縮を誘発し、早産や低体重児出産を引き起こすことがある。
・妊娠中は、女性ホルモンの分泌量が増えるため、歯周病菌が増殖しやすい。つわりなどで歯磨きを怠ると、歯周病が発症したり悪化したりするリスクがさらに高まる。
●骨粗しょう症・骨粗しょう症の人は歯を支える歯槽骨がもろく、歯周病が進行しやすくなる。
・閉経で女性ホルモンが減ると、歯周病で産生される炎症性サイトカインの働きが活発になり、全身の骨の代謝にも悪影響を及ぼし、骨粗しょう症が進行する。
●心血管障害(動脈硬化・狭心症・心筋梗塞・心内膜炎など)・歯周病で産生される炎症性サイトカインが直接的・間接的に血管内皮細胞にダメージを与え、動脈硬化を引き起こす。動脈硬化が進行すると狭心症や心筋梗塞のリスクが高まる。
・歯周病菌が歯周ポケットから侵入し、心筋の内膜に付着して心内膜炎を引き起こす。
●糖尿病・高血糖状態になると細菌感染から体を守る免疫機能が低下するため、歯周病が発症・進行しやすくなる。また、歯を支える骨の破壊も促進される。
・歯周病で産生される炎症性サイトカインがインスリンの働きを妨げるため血糖値が上がる。