9月24日には横浜アリーナで『クレイジーケンバンド デビュー20周年記念スペシャルライヴ』を開催する。全席指定9720円。――大人の遊び方を知っている方達なんですね。
「そうなんです。80代の方もいらっしゃるんですが、色々なことをご存じだから、話が本当に面白い。粋とか、侘び寂びといったワードが会話によく出てくるのも素敵だし、皆さん結構お洒落だから、そういうところからも曲づくりのヒントをたくさんもらっています。しかも人の話を肯定的に聞いてくださる方が多いので、こっちも話しやすい。CKBのアルバムを持っている方も数名いらして、励みになっています。そこにいると、自分がまだ若造でいられるというのも新鮮で、過去の思い出をそれらしく語ったりするのがバカバカしくなるくらい勇気づけられます。まだまだ当事者でいなきゃと思うし、生涯現役を目標にしたいですね」
――横山さんは、クラシックカーのレースにも出場されているのですか?
「はい。これが結構大変なんですよ。慈しむように乗ると言いながら、レースとなると制限速度がないから、限界まで飛ばしたりするので。当然、マニュアル車なので、コーナーのたびにひたすらギアチェンジをしていく。今の車と違って衝撃も全部体にきます。そんな中、60年代からずっと第一線で活躍してきた70代の人が、今もスーパーテクニックでカーブをキューンと曲がっていったりして優勝するんですから、めちゃくちゃカッコイイですよ」
――それは憧れちゃいますね。
「シビれます。そもそも高度成長期には、ミッキー・カーチスさんとか三保敬太郎さん、福澤幸雄さんみたいに、音楽や俳優やファッションの才能もあって、なおかつレーサーでもあるという夢みたいにスーパーな方達がたくさんいて、子供心に憧れていました。僕は今、そのコスプレをやってるようなもんですね。アマチュアレーサーではあるけれど、“作曲家でレーサー”という気分に浸ってちょっぴり陶酔しちゃってます(笑)」
――音楽家としての今後の展望を教えてください。
「最後の出がらしの一滴まで出し尽くしたい、やり尽くしたいですね。いつ枯渇するのかな?という恐怖は常にありますが、“もうダメだこりゃ”となるまで曲をつくり続けたいです。僕の場合は、音楽と直接関係ないところからインスパイアされたものも、メロディに変換されるんですよ。たとえば鎌倉の明月院の紫陽花を見たら、それがメロディになっちゃったり、タオルの柔軟剤の香りから1曲できちゃったこともありました」