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脳内ホルモンは心身を整え、治癒力を高める“天然の薬”

2018.08.24

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脳からはあなたの病気に適した薬が出る


脳内には“天然の薬”といえる物質が多く存在しています。例えば脳内モルヒネといわれるエンドルフィンは、末期がんの疼痛解消などに使用されるモルヒネ製剤の五倍もの鎮静効果があるといわれます。

セロトニンもオキシトシンも自律神経を整え、心身の不調を安定させる薬理効果がある、うつ状態の回復に有効な脳内ホルモンです。一方、脳ではなく副腎皮質から分泌される副腎皮質ホルモンは、アトピーや喘息などを治す力があり、合成されたステロイド剤は治療薬になっています。

これらは体内で生成される優秀な薬たち。「外部から取り入れなくても自分の体や脳で薬が作られる」と話すと、みなさんは不思議そうな顔をします。


しかし、その人の不調改善に最も適した成分を自分が作り出している事実を、ぜひ信頼していただきたいのです。

私の主宰する「セロトニンDojo」には、副作用がひどくて薬から離脱したいうつのかたがたが多く訪れます。近年保険適用されたSSRIという薬剤は、脳内のセロトニンを人工的に高く維持する効果があり、うつ病の救世主として使用頻度が高い薬剤です。

ただ、「会社に行けない、眠れない」などの症状を一時的に解消しても、本質的な治療ではないために、薬を減らすと症状が再び出やすく、復職と休職を繰り返す、かえって自殺願望が強くなった、などのケースがみられます。

「ではどうすればいいの?」と聞かれれば、「薬を徐々に減らしながら自然治癒力を発揮させる生活をしないと完全な回復は難しい」といわざるを得ません。

セロトニンもオキシトシンも、私が旅に出たときのように自然との触れ合いの中では盛んに分泌されることがわかっています。例えば朝、リズミカルに歩きながら30分、太陽の光を浴びるだけでも活性化されます。

私たちの心身の働きにプラスの影響を与える脳内物質たちを信頼し、その活性化に努めれば、ストレスに負けない若々しく美しい自分づくりも可能です。次回からは具体的な対策を述べていきましょう。(2)に続く>>

Information

セロトニンDojo

東京都台東区上野4-2-1 江戸っ子ビル6階

  • FAX 03(6674)1812
取材・文/宇津木理恵子 撮影/八田政玄

「家庭画報」2018年9月号掲載。
この記事の情報は、掲載号の発売当時のものです。
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