バッグはインパクトが強いほど、「主役にする術」を考えてピンクという色は、それだけで存在感があるもの。だから、「今日の主役はこのピンクのバッグなのよ」と、あえてわかるようなスタイリングを心がけています。
私の場合、このバッグを持つときは、全体をグレーのワントーンでまとめ、バッグのピンクを引き立てるコーディネートが定番。 例えば、グレーのロングジレ、グレーのパンツ、シルバーのスニーカーに、このバッグというコーディネートが目下のお気に入りです。
仕事の打ち合わせで、「バッグを主役にした、こんなコーディネートはどう?」というプレゼンのような形の装いで、「今日のおおさわさんみたいな装い、すごく素敵ね」とお褒めいただき、企画に繋がった経験もあるほどです。
同じピンクでも 繊細な色味にこだわってこのバッグの勝因は、なんといってもピンクの色味。同じピンクでも、自分のワードローブに多いグレーみを帯びたピンクだったからこそ、コーディネートになじみつつ、主役としての存在感もあるのだと思います。
また、大人にとっては質感も大事。やはりラグジュアリーブランドの小物は上質かつ色味も絶妙で、主役をはれるパワーがあるんです。普段あまり持たない色の小物でも、とりあえずの安物で済ますのではなく、きちんと投資をしたからこそ、満足のいくものに出会えるのだと再認識しました。
いつもは選ばない、冒険色の小物を投入することで、マンネリを打破できる……そんな小物と色のパワーを教えてくれたバッグです。
おおさわ千春/Chiharu Osawa
スタイリスト
雑誌のほか、映画の衣装デザインや女優のスタイリングなどを幅広く手掛ける。着る人に合わせた的確なスタイリングやアドバイスは、多くの女優からも信頼を得ている。
撮影/大柳佳緒里 編集協力/湯澤実和子 記事内でご紹介しているアイテムはすべてスタイリストの私物で、現在は販売されていない可能性もございます。