「口腔ケア」で健康革命 歯や口腔の健康が全身の健康と密接にかかわっていることがわかってきました。歯周病があると動脈硬化や糖尿病、果ては認知症のリスクまで高まります。一方で、歯周病を治すとこれらの病気は改善していきます。まさに全身の病気は、口腔から始まっているのです。アンチエイジングを見据えた50代からの口腔ケアに今日から取り組みましょう。
前回の記事はこちら>> 集中連載「口腔ケアで健康革命」第4回では、チヨダオーラルヘルスケアクリニック 院長 金子三恵先生に、口と全身の老化の関連性を調べるアンチエイジング外来について教えていただきました。
チヨダオーラルヘルスケアクリニック 院長
金子三恵先生口と全身の老化度を検査。関連性を知って生活改善を
口の中が若い人は体も若い─。口腔の状態が全身の健康に影響を及ぼすことが広く知られてきました。私たちは今、口と体の両面からのアプローチで自らの心身の状態を知り、より確実な生活習慣改善に取り組む時代を迎えています。
チヨダオーラルヘルスケアクリニックでは口腔と全身の老化度検査を同時に行い、食生活や運動法など生活習慣の改善を提案する「アンチエイジング外来」を実施しています。
1か所で両方の検査を行う医療機関は珍しく、口腔とともに全身の状態が把握でき、自分に合ったアドバイスを受けられる点が大きな特徴です。
「口腔は女性ホルモンの減少や精神的ストレスの影響を受けやすい繊細な器官です。更年期は、口腔にとっても変換期。今の健康状態を知って弱点を修正・補強することで健康で充実したシニア期を迎えることにつながると考えています」(金子先生)
問診票をもとに丁寧な面談を行ったあと、口腔と全身の老化度検査がスタート。検査結果は歯年齢や唾液年齢、骨年齢や血管年齢など項目別に五角形のグラフで提示され、細かな老化度と口と体の健康の関連性が一目瞭然です。
「目標は、食べる、話すなど口の機能をできるだけ維持し、最後まで元気で楽しく生きること。理想的な“均質なエイジング”を目指して、一人一人の老化の進んでいるところを調べ、生活習慣を中心にご提案していきます」(金子先生)
全身年齢と口腔年齢には相関関係があった
鶴見大学歯学部附属病院アンチエイジング外来を受診した400名のデータを分析した結果、筋年齢と咬合年齢(グラフ上)、ホルモン年齢と唾液年齢(グラフ下)、および骨年齢と咬合年齢に相関関係があることがわかった。