インテリアスタイリスト 横瀬多美保の「カジュアル・リュクス」に暮らす テーブルコーディネーターやインテリアスタイリストとして『家庭画報』のページを彩ってきた横瀬多美保さん。あらゆるものに美を見いだし、独自の感性でリュクスな空間を創造し続けてきました。そして今、しっくりくるのは上質でありながらもくつろぎ感のあるスタイル、といいます。“生活の中に、美が息づく”そんな日々の暮らしに豊かさを添える素敵なアイディアを巡ります。
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ウィークエンドハウスで楽しむ、特別なテーブルコーディネート
数日間のお休みが取れると、横瀬多美保さんは両親との思い出が沢山詰まった避暑地の別荘へと車を走らせます。雄大な富士山を望む大自然に囲まれたウィークエンドハウスでは、都内の自宅とは違ったコーディネートを楽しんでいるのだとか。夏休みを避暑地で過ごしている横瀬多美保さんを訪ねました。
お母さまの形見の食器に合わせた、「カルテル」のシャンパングラスと“トラマ”シリーズの器は、今、最も勢いのある女性デザイナーの一人であるパトリシア・ウルキオラ氏がデザインしたもの。山梨県はすももの生産量が日本一。収穫期にあたる夏、とれたてのみずみずしいすももを味わえるのも別荘に来る楽しみの一つ。Tips1
母の形見の食器でノスタルジックな趣を楽しむ
「両親が夏を過ごしていたこの別荘に来ると、亡くなった母を思い出します。
インテリアレッスン17でご紹介したポーセリンアートのような、母はメルヘンな世界が好きでした。なので、建物もヨーロッパの山小屋風、残された器もロマンティックなテイストのものが多いです」
別荘で過ごすときには、そんなお母さまが大切にしていた食器を使って、少し懐かしい雰囲気を楽しみます。
心地よい光が降り注ぐテラスでの朝食には、淡いピンクのプレートに、優しい色彩とレリーフで果物柄を表現した「オー・バン・マリー」のプレートを重ねて。
「果物柄のお皿は、30年以上昔、母と初めて2人でパリに行ったときに一緒に選んだものなんです」
多美保さんは、思い出の器に「カルテル」のグラスやアースカラーの器をプラス。屋外に向くプラスチックという現代的な素材、トレンド感のあるデザインを加えることで、古さを感じさせず新旧が融け合うコーディネートになりました。