本人曰く「自分は基本的に怠け屋さん」とのこと。「休みの日はTシャツにステテコ姿で完全にオフモードですよ(笑)」。そんな姿も見てみたい!?――実話に基づいた陰影ある物語もこの作品の魅力です。しかも場面が、バンドのメンバー1人ずつが各自の視点から語る4つの季節(フォー・シーズンズ)で展開される形になっていて。
「メンバー4人それぞれから見たザ・フォー・シーズンズが異なっていることが、栄光と挫折のコントラストをくっきりと浮かび上がらせていて、その物語の緩急というか流れが、とても演劇的ですよね。しかもそこに、世界で愛された綺羅星のような名曲がちゃんと組み込まれていて、僕はフランキー・ヴァリとして各ナンバーを歌うことができる。それだけに、4人の声が重なってひとつのハーモニーになった時の感動も大きいです」
――特に、紆余曲折を経たうえでの最後のシーンにはぐっときます。
「あの最後の場面で歌う『Who Loves You』というナンバーは、まさに全員のハーモニーで終わるんです。それって、約2時間の物語をキャスト4人が同じ熱量で走って来なければ生まれないハーモニーなんですよね。ボブ・ゴーディオは、絶対にそこまで全部考えて、この作品をつくっていると思います。ただ、それを表現するには、実はかなりのスキルが要求される。コーラスが上手くても芝居ができなければ務まらないし、逆に芝居がいくらできても、歌えなければ成り立たないですから。そこをしっかりわかってつくらなければ、本国の作品に肩を並べることはできないというプレッシャーは、初演を立ち上げる時にみんな感じていたと思います」
――今回の再演で楽しみにしているのはどんなことでしょう?
「やっぱり、伊礼彼方くんとSpiくんが新たに加わるTEAM BLUEが誕生することですね。とても信頼を置いている同世代の伊礼くんが、フランキー・ヴァリを世に出した兄貴的存在で、チームのリーダーでもあるトミーをどうつくるのかも楽しみですし、今年5月に『ミュージカル「ジャージー・ボーイズ」イン コンサート』で一緒に歌った時に、以前『DNA-SHARAKU』で共演した時からさらに成長しているなと感じたSpiくんのニックも楽しみです。2人にしか表現できないものと、しっかり化学反応を起こせるように、僕自身もフランキーの声をもっともっと磨きつつ、役としてしっかり生きるということを、初演以上にやっていきたいです」