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専門家が分かりやすく説明する「ジュエリーの歴史(近代~現代)」

2017.08.10

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1890年代以降。ジュエリーを量産する時代が到来


ヴィクトリア時代の末期、1890年代に入るとついに、ジュエリーの量産が始まるのです。量産といっても今のように何百個もいっぺんに作るというのではなく、数個、10個の単位ですが、それまでの注文生産制から量産制へ、同じデザインのものが何個も作られる時代になります。

ジュエリーの近代史。ジュエリー工場の様子。Skilled workers manufacturing jewelry, Providence, R.I./1915/The New York Public Libraryジュエリー工場の様子。Skilled workers manufacturing jewelry, Providence, R.I./1915/The New York Public Library

ジュエリーのカタログや新聞広告の誕生


これにより小売店の営業形態にも変化が起きます。これまでのように客の注文に沿ってものを作るのではなく、店側が独自の判断でジュエリーを作り、店頭に並べて客を待つという、今と変わらない形態の宝石店が登場します。


同時にこの頃になるとジュエリーのカタログが初めて作られ、主に新聞の商品広告も登場します。これは当然の流れともいえます。たとえばジュエリーが店に1個しかないのならカタログを作る必要もないし、広告する必要もありませんよね。カタログや広告は、ジュエリーが量産制になったからこそ生まれたのです。

The Parisian Diamond Companyという会社がイギリスの新聞THE SPEREに出した広告。/1902The Parisian Diamond Companyという会社がイギリスの新聞THE SPEREに出した広告。クリスマスシーズンに向けたジュエリーのデザイン画が描かれている。/1902
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