ソース・ベシャメル
「ベシャメルはフランス料理のクラシックなソースで、いわゆるホワイトソースです。材料は3つだけ。その割合は、粉1:バター1:牛乳10が基本です。本来はバターを湯せんなどで溶かして得られる上澄み部分、つまり澄ましバターを用いますが、その際に除かれる乳しょうには旨味がある。だから僕はバターをそのまま使って、旨味を最大限に生かします」(谷シェフ)。
【材料 作りやすい分量】
・強力粉 50g
・バター(食塩不使用) 50g
・牛乳 500cc
【作り方】
1:まずルー・ブランを作る。鍋にバターを入れて中火にかけ、ある程度バターが溶けたところで火を止め、完全に溶けたら強力粉を一気に加える。熱いとダマになるので、火を止めたままよく混ぜる。
2:弱火にし、木べらで鍋底から全体に絶えずかき混ぜ、焦がさないように炒める(写真上)。最初は団子状になるが、炒めていくと滑らかになり、ツヤが出てくる。木べらで鍋底をかくと跡が残る状態。
3:さらに炒めるとふつふつと泡立ってくるので、さらに火を弱める。黄色がかった色が白っぽくなり、かき混ぜる時の手ごたえが軽くなる。これが粉に火が通った合図。木べらで鍋底をかくと跡が残らずすぐに戻ってくる。これがルー・ブラン。
4:ルー・ブランに牛乳を7~8回に分けて加える。最初は50ccほど加え、よく混ぜてひと塊にする。火を止め、牛乳70ccほどを加えてよく混ぜ、ひと塊にする(写真)。火を止めるのは温度差を作らず、ダマを防ぐため。同様に牛乳を加え、4回目に加える時に弱火にする。
5:牛乳を3/4量ほど加えると滑らかになってくる。鍋肌が乾いてきたら、ゴムべらなどできれいにする(写真上)。泡立て器に変え、残りの牛乳を加えてよく混ぜる(写真中)。この際、アルミ製の道具を鍋に当てると色が出るので、触れないように混ぜる。表面にツヤが出て、もったりしたらソース・ベシャメルの完成。
フランス料理の真髄はソースにあり。ソースは料理のおいしさや存在感を深め、無限の可能性を秘めるもの。 『ル・マンジュ・トゥー谷昇シェフの ビストロ流おいしいソース・レシピ』では、フレンチの賢人がソースの極意を徹底コーチ。クラシックからシェフオリジナルまで、32のソースと69皿のメニューを収録。伝統的なフランス料理からビストロメニュー、家庭料理、オリジナルの一皿まで、多様で美味しいソース使いを学ぶことができます。
谷 昇(著)
定価:本体1,600円+税
撮影/原 務