舞台のみならず、テレビドラマや映画でも活躍。また、2007年よりサントリー金麦のCMのナレーションを務めている。――段田さんも、役柄によって全く違う表情を見せる俳優さんだなと、いつも思います。
「そうありたいとは思っています。でも、なかなか難しいですね。後で舞台のDVDを観たりすると、あれ?何をやっても同じじゃないか?と感じることがありますから。どんなに幅広い役柄を表現できたとしても、どこかしらその人自身が出てくるもので、自分で思うほどには役になりきれないものなんだなと、最近つくづく思うんですよ」
――とはいえ、国や性別の違う人まで演じられるというのは、役者さんの醍醐味ではないですか。
「そう思います。とか言いながら“もう稽古が始まるのか”とか“台詞覚えられないよ~”とか、文句ばっかり言ってますけど(苦笑)。でも考えたら、芝居をやりたくても機会がなかなかなかったり、僕なんかよりもっと芝居が好きで、もっともっとやりたかっただろうに、亡くなってしまった方もいる。そういう方達の思いを考えると、ぐずぐず言ってないで、早く台詞を覚えてしっかりやれよ!と思います。僕なんか、趣味も特にないし、芝居を取ったら何も残らないんだからって」
――以前、趣味だと伺った草野球は、もうやっていないのですか?
「またやりたいんですけどね。しばらくやっていないので、もう体がついていかないと思います。そもそも僕は、みんなで一緒に何かをやるのが苦手な人間なんです。でもなぜか、草野球だけは大好きで。あ、でも、みんなで何かをやるといえば、芝居もそうですね(笑)。みんなで何かをやるのは不得手なのに、芝居をみんなでつくったり、自分が褒められるのはもちろん、共演者が褒められたり、あの人頑張ってるなと思いながら見るのは、楽しくて好きなんですから、不思議なものです(笑)」
――そんな段田さんが挑む『出口なし』。どんな舞台にしたいですか?
「“観てよかったな”“何だか、とても面白い時間を過ごしたな”と思っていただけるようにしたいですね。ここはあえて、自分も含めて言いますが(笑)、この素晴らしい出演陣ですから、面白いものになると思います。ぜひ劇場へ足を運んでいただけたら嬉しいです」
段田安則/Yasunori Danta
俳優
1957年、京都府出身。青年座研究所を卒業した1981年に劇団「夢の遊眠社」へ入団。1992年の劇団解散まで主力俳優として活躍。舞台、映像ともに幅広い役柄を務め、2007年には読売演劇大賞 大賞・最優秀男優賞を受賞。2018年11月29日~12月23日には舞台『民衆の敵』(Bunkamuraシアターコクーンほか)に出演の予定。
シス・カンパニー公演『出口なし』8月25日~9月24日/新国立劇場 小劇場 S席/8000円 A席/5000円 B席/3000円 お問い合わせ/シス・カンパニー 電話03-5423-5906
9月27日~30日/サンケイホールブリーゼ(大阪) S席/8000円 A席/6000円 ブリーゼシート/4000円 お問い合わせ/キョードーインフォメーション 電話0570-200-888
作/ジャン
=ポール・サルトル 上演台本・演出/小川絵梨子 出演/大竹しのぶ、多部未華子、段田安則 ほか
http://www.siscompany.com/deguchi/gai.htm