【作り方】
1:アサリだしを作る。アサリは3%の塩水に浸けて暗いところに1時間以上置き、砂を吐かせておく。
2:アサリをよく洗い、水、昆布と共に火にかけ、沸く直前に昆布を取り出し、灰汁を取り、そのまま弱火で1時間くらい煮出し、静かに濾す。
3:2を180ccほどまで煮詰め、味が薄ければ塩で調整する。
4:アオリイカは胴体から足と内臓を取り、胴体の軟骨を取って開きふきんで汚れを拭く。表を向け、外側の皮と薄皮をはがし(写真上)、縦に2等分し、表側に切り込みを斜めに5㎜の格子状に入れる(イカの半分の深さ)。
5:刃を入れた表側をバーナーで炙る(そのままでもよい)。横に2~3等分し、縦に細めの短冊切りにする。
6:キュウリはヘタを取り、四面チーズおろし器の粗い面かしりしり器で千切りにし、水気を絞り5と合わせておく。
7:スパゲティーニを茹で始める。
8:フライパンにニンニクオイル、アサリだし、野菜ブイヨンを入れ、鍋をゆすりながら軽く煮詰め、乳化させる。
9:スパゲティーニが茹で上がったら8のフライパンに入れてよく和え、ソースがスパゲティーニに絡まったら火からおろし、4を加えてよく和える。
10:9を器に盛り、すりおろしたカラスミ、ちぎった花穂紫蘇を散らす。
著者は東京・小石川のイタリアンレストラン「シンプル リトル クチーナ」オーナーシェフ。料理は野菜が中心で、肉、卵、チーズ以外の乳製品を使いません。しかし肉好きが敬遠する「健康そうだけど物足りない料理」ではなく、肉好きをも満足させる充実した美味しさが特徴です。秘密は昆布だしをはじめとするだしの使い方にあります。かといって和風イタリアンではなく、「佐藤夢之介のイタリアン」としかいえない料理なのです。四季のレシピをお楽しみください。
佐藤夢之助(著)
定価:本体1,500円+税
撮影/西山 航